【領事班からのお知らせ】 アブ・サヤフ・グループによる外国人人質殺害に伴う注意喚起(その2)

平成28年6月14日

アブ・サヤフ・グループによる外国人人質殺害に伴う注意喚起(その2)

1.

 
13日夜(現地時間),4月のカナダ人人質殺害に続き,新たに外国人1名が殺害されました。アブ・サヤフ・グループ(ASG)は身代金が6月13日午後3時(現地時間)までに支払わなければ,カナダ人かノルウェー人のどちらかを殺害すると脅迫していたところであり,カナダ政府は,カナダ人の人質が殺害されたとみて確認を行っています。
2.
 
昨年9月,ミンダナオ地方北ダバオ州サマル島のリゾート施設にて,イスラム過激派組織(ASG)により,ノルウェー人,カナダ人及びフィリピン人の4名が誘拐される事件が発生しました。その後,ASGは,4月25日,人質となっていたカナダ人1名を殺害しました。
3.

 
上記の他にもASG又はASGと関係を有するとみられる武装組織は,マレーシア,インドネシア両国の領海に接するフィリピン南部のスールー海域においてたびたび外国人を誘拐しており, 最近では3月29日から4月15日にかけて,インドネシア人とマレーシア人計18名が,航行中のタグボートの襲撃等により拉致される事件が発生しております。今後も同海域において同種の拉致事件が発生する可能性が高いと考えられます。
4.
 
なお,フィリピンにおいてはISILへの支持を表明している組織が存在していることから,今後,ISIL等によるテロの呼びかけに呼応し,これらの組織がフィリピン国内で外国人誘拐,テロ活動をさらに活発化させ,日本人が標的となる,あるいは被害に遭う可能性も排除することができません。
5.



 
ついては,上記の情報等も踏まえ,北サンボアンガ州を含むミンダナオ西部地域については,危険情報「レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」が発出されていますので,これらの地域にはいかなる理由でも渡航しないでください。
また,ミンダナオ東部地域には一部地域を除き,「レベル2:不要不急の渡航は止めてください。」が発出されていますので,これらの地域への不要不急の渡航は中止してください。
上記危険情報が発出されている地域を含め,フィリピンにおいては誘拐事案が多く発生していることから,例えば次の諸点を心がけるなどしてください
 
・外国人であれば,裕福であると常に思われることを念頭に慎重かつ目立たないように行動をする。
・自身の行動予定や各情報等を不特定多数の人間に言わない,知られない。
・毎日の行動がパターン化しないようにする。
・単独での行動は避け,外出する際は周囲に不審者・不審車両がないかを注意する。
・隣人や周囲の者の自分に対する噂話,ねたみ,評判等を把握・確認する。
・使用人や運転手とは一定の距離を保ちつつ,良好な関係を築く。

フィリピン「海外安全情報」:
http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo.asp?id=013&infocode=2015T094#ad-image-0

(参考スポット情報)
「フィリピン:アブ・サヤフ・グループによる外国人人質殺害に伴う注意喚起」(4月26日付)
http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcspotinfo.asp?infocode=2016C125
 
6. なお,誘拐等の対策に関しては,以下も併せてご参照ください。
  (1) パンフレット「海外旅行のテロ・誘拐対策」                                                                                                                                 
  (2) パンフレット「海外における脅迫・誘拐対策Q&A」
  http://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph.html に掲載。)