1.社会・治安情勢
セブ州は世界的に著名な観光地を擁しており,治安当局が取締りに力を入れていることから,一般的にはフィリピンの中では比較的治安が安定していると言われている。しかし、下記2.のとおり旅行者を含む邦人に対する犯罪被害が発生しており、決して安全とは言えない状況にあることから,行動する際には十分注意する必要がある。
2.一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)フィリピン国家警察から入手したセブ州の犯罪統計によれば、2013年1月~3月における犯罪発生件数は以下のとおり。
(ア)殺人159件(前期比:18.6%増)
(うちセブ都市圏(セブ,マンダウェイ,ラプラプの3市)で65件
(前期比:41.3%増))
(イ)傷害1,323件(前期比:170%増)
(同400件(前期比:54.4%増))
(ウ)強姦39件(前期比:9.3%減)
(同12件(前期比:14.2%減)
(エ)強盗702件(前期比:40.9%増)
(同354件(前期比:21.6%増))
(オ)窃盗1,588件(前期比:84.0%増)
(同849件(前期比:28.2%増))
(犯罪件数総数は,前期比で92.7.%増,前年同期比で23.6%増)
(2)邦人被害事案
(ア)1月中旬、セブ市内のSMシティモールで邦人旅行者が旅券、現金の入った鞄をすられた。
(イ)1月中旬、ボホール州において、邦人が経営する会社事務所に強盗が侵入し、現金等が盗まれる被害が発生した。
(ウ)1月下旬、フィリピン人2名がセブ州北部に住む邦人宅に向け拳銃を発砲する事件が発生した。
(エ)2月上旬、日本人男性がセブ市中心部の日本料理店が複数軒集まる繁華街を歩いていた際、いきなりフィリピン人男性に襲われ、右手を負傷するとともに財布を強奪された。
(オ)2月上旬、セブ市内を観光中の邦人旅行者がシプニーの車内でサイドポーチに入っていた財布、運転免許証等をすられた。
(カ)3月上旬、セブ市内の宿泊ホテル付近の路上で、邦人観光客がバイクに乗った2人組に旅券等の入った鞄をひったくられた。
(キ)3月中旬、セブ市内の邦人宅に強盗が押入り、パソコン等が盗まれた。
(ク)3月下旬、セブ市マンゴーアベニューで路上を歩いていた邦人女性が背後から走行してきた2人乗りのバイクに肩にかけていたショルダーバックのひもを切られ,バックを強奪された。
(ケ)上記以外に、邦人がセブ市内のショッピングモール(アヤラ・センター、SMシティセブ)でフィリピン人に声をかけられ、後日、同人宅に誘われトランプ詐欺の被害に遭うケースが5件発生しており、中には約50万円以上の被害を被った事案も発生している。
(3)邦人以外の被害
(ア)1月初旬、セブ州ラプラプ市で、深夜まで花火等で騒ぐフィリピン人に腹を立てた隣人のフィリピン人が拳銃で1名を射殺、他1名に重傷を負わせた。
(イ)1月中旬、セブ市カンポタオ地区で、ホテルの前でタクシー待ちをしていたフィリピン人男女が突然フィリピン人男性2名に拳銃を突きつけられ、所持していたデジタルカメラ、パソコンや宝石類を強奪された。
(ウ)1月下旬、韓国人女性2名がセブ市中心部のA.S Fortuna St.を歩行中、フィリピン人男性が乗ったバイク2台が歩道に乗り上げ、同人らの行く手を塞ぐとともに、拳銃で脅した上、現金、携帯電話を強奪した。
(エ)2月上旬、セブ州トリド市で、フィリピン人男性がバイクに乗った2人組のフィリピン人に狙撃され死亡した。
(オ)2月上旬、セブ州リロアン地区で、カラオケ店にいたフィリピン人男性が突然入店してきた男性に複数箇所銃撃され死亡した。銃撃後犯人は同店外で待っていた仲間とともにバイクで逃走した。
(カ)2月中旬、セブ州バンティアン地区で、英国人女性がバイクタクシーの運転手に突然ブッシュに連れ込まれ、強姦未遂の被害にあった。
(キ)3月中旬、セブ州バリリ地区で、バイクタクシーを待っていたフィリピン人男性が突然近づいてきた男に銃撃され死亡した。
(ク)3月下旬、セブ市で、午前7時にジョギングしていたフィリピン人女性が後を付けてきたフィリピン人男性に人気の少ない路地に入ったところで襲われ殺害された。
3.テロ・爆弾事件発生状況
事件の発生は報告されていない。
4.誘拐・脅迫事件発生状況
日本人の被害は報告されていない。
5.日本企業の安全に関する諸問題
特段の問題は報告されていない。