ホーム - プレスレリース

平成22年03月10日

平成21年度草の根・人間の安全保障無償資金協力

「 セブ州における小規模果樹農家のための食品加工、供給施設改善計画 」

贈与契約署名式

 

 

3月10日、桂誠駐フィリピン大使は、日本大使館において、被供与団体である サザンパートナーズ・アンド・フェアトレードセンター のラブラドレス 事務局長 との間で、標記案件に係る贈与契約に署名しました。

供与額は、 93 , 910 米ドル(約967万円)です。

 

(案件概要)

フィリピンのビサヤ地方では、約50%の土地が農地として使用され、ココナッツやマンゴーなどの果実が主要な作物となっています。特にセブ州はマンゴーの生産地としても知られており、同州を中心としたフィリピンのマンゴー産業からの収入は年間1,400万米ドルにも上っています。一方で、小規模のマンゴー農家は各々の農地を所有していないため、肥料代や農薬代に加えて、土地の借り上げ料も負担しなければならず、生産にかかるコストが売り上げの90%を超える場合もあります。また、流通や加工、販売といった収穫後の過程において、農家は仲買人に安い価格で作物を買い取られてしまう等の理由で、マンゴー農家の所得が低いことが、同地域において深刻な課題となっています。

 

本件事業の被供与団体である、 サザンパートナーズ・アンド・フェアトレードセンターは、これまでにフェアトレード(公正取引)を実施しており、果実農家から通常の3ペソから5ペソ / キロの高値で果物を買い取り、直接消費者に販売することで小規模農家の収入向上に貢献しています。しかし、同団体が所有する乾燥機をはじめとした食品加工機材は、老朽化が著しく、また処理能力が低いため、効率的な作業が難しい状況でした。そのため、本件事業では同団体の 加工施設の効率性、生産性を改善すべく、果実運搬のためのトラックや、乾燥機材、ガスレンジ等を供与します。また、施設に熱遮断屋根や排水溝等を設置し、衛生環境改善を目指します。これにより、施設の果物処理能力が向上し、小規模果樹農家450名の所得向上につながることが期待されます。

 

 

(c) Embassy of Japan in the Philippines