ホーム - プレスレリース

平成22年03月10日

平成21年度草の根・人間の安全保障無償資金協力

「ベンゲット 州ラ・トリニダッド町における有機堆肥製造施設整備計画 」

贈与契約署名式

 

 

ラ・トリニダッド町のガルワン町長と握手を交わす桂大使。国際農業者交流協会の横森正樹氏、中島淳太郎氏(左から3、4番目)のほか、同町及び大使館関係者が同席。

 

3月10日、桂誠駐フィリピン大使は、日本大使館において、被供与団体である ラ・トリニダッド町 のガルワン町長との間で、標記案件に係る贈与契約に署名しました。

供与額は、8 9 , 993 米ドル(約926万円)です。

 

(案件概要)

フィリピンのサラダボールと呼ばれるベンゲット州は、野菜の一大産地として知られており、中でも同州の州都であるラ・トリニダッド町は、国内最大級の野菜市場を有しています。同市場では一日1,000トンもの野菜が取引されており、マニラ首都圏をはじめルソン島全域に流通しています。しかし、ラ・トリニダッド町では、多量の化学肥料や農薬の使用により土壌汚染が進み、植物の生育阻害や病気の発生が頻繁に起きています。また、野菜市場から毎日出される60トンもの野菜くずなどの生ゴミの処理も問題になっています。町政府は、2008年に堆肥製造施設を建設しましたが、財政的な制約により、製造できる堆肥の量は限られています。また、処理できない生ゴミは道ばたやごみ処分場に廃棄されており、衛生環境上、劣悪な状態となっています。

 

本件事業では、既存の堆肥製造施設内に堆肥発酵施設を建設し、有機肥料の生産量増加、生ゴミ量の減少を図ります。右によって、同地域の衛生環境が改善され、より多くの農家に安価な肥料を提供できるようになるほか、従来に比べ、二酸化炭素の排出量が13%、メタンガスの排出量が11%、二酸化窒素の排出量が14%削減されることが推測されるため、温室効果ガスの削減に寄与することも期待されています。また、人力作業より効率的な作業を可能とすべく、堆肥の運搬及び攪拌を行うための小型トラクターの購入についても支援します。

 

 

(c) Embassy of Japan in the Philippines