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平成22年06月21日

平成20年度草の根・人間の安全保障無償資金協力

「 シャリフ・カブンスアン州スルタン・クダラット町イーブン・タイミヤ財団学園の5教室建設計画 」 引渡式典

 

 

 

 

6月17日、 宇山智哉在フィリピン日本国大使館公使は、シャリフ・カブンスアン州スルタン・クダラット町シムアイ村の「イーブン・タイミヤ財団学園」において行われた、平成20年度草の根・人間の安全保障無償資金協力事業「 シャリフ・カブンスアン州スルタン・クダラット町イーブン・タイミヤ財団学園の5教室建設計画 」の引渡式典に出席しました。式典には、被供与団体である「イーブン・タイミヤ財団学園 」 の ガライ代表 も出席しました。

 

本件は、2009年3月30日に署名式が行われたものであり、供与額は、 74,555 米ドル(約840万円)です。

 

 

(案件概要)

イスラム教徒を対象とした学校は一般に「マドラサ」と呼ばれており、フィリピンの歴史的な背景から、ミンダナオ地域に数多く存在します。マドラサでは、全てアラビア語で授業を行うなどフィリピン政府の教育カリキュラムに沿っていないことから、国や自治体から十分な支援を受けられない場合が多くありました。このため、教育の質の低下を招きかねないとの危惧の下、マドラサへの対策が検討され、フィリピン教育省は、一定の条件を受け入れたマドラサを国の教育機関として認める施策を打ち出しました。(右条件には、一般の学校と同様の英語や数学等の科目(「英語カリキュラム」と呼ばれる。)を一定時間以上履修させること等が含まれます。)

 

被供与団体である「イーブン・タイミヤ財団学園」は、小学校前教育から大学までの教育(全生徒数は約1,000人)を運営・管理しています。2002年、「イーブン・タイミヤ財団学園」は生徒に質の高い教育を受けさせるため、国の機関として認められることが必要と判断し、希望する生徒を対象に英語カリキュラムを実施することとし、2003年に国の教育機関として認められました。しかし、従来から生徒数増加による教室不足だったことに加え、従来のマドラサカリキュラムと英語カリキュラムの双方を行うために、新たに教室が必要となり、教室不足はますます深刻となりました。かかる背景から、当館に対して支援の要請がなされました。

 

本事業では、 イーブン・タイミヤ財団学園の中等学校において、5教室とトイレの建設を行い、また机付き椅子(250台)の供与を行いました。右によって、学習環境の改善が図られることが期待されます。

 

 

 

 

(c) Embassy of Japan in the Philippines