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平成22年01月24日

平成22年度草の根・人間の安全保障無償資金協力

「 イロコス・スール州スグポン町における保健所建設計画 」

贈与契約署名式

 

 

 

1月24日、桂誠駐フィリピン大使は、日本大使館において、被供与団体であるスグポン町の キトン町長 との間で、標記案件に係る贈与契約に署名しました。

供与額は、 116,127 米ドル(約1,092万円)です。

 

(案件概要)

イロコス・スール州南部に位置するスグポン町は、州の南端の山岳地方に位置し、雨期にはアンブラヤン川の増水によって交通が遮断されてしまうこともあります。町の住民は約4,000人で、その多くが農業や漁業に従事していますが、1ヶ月1,500ペソ以下の収入で生計を立てている世帯が多く、住民の約70%が貧困層に属しています。

 

町の中心にある保健所(3床)は、損傷が激しく受け入れ可能な患者数は限られています。また、基礎的な保健医療サービスを提供するのに必要な機材も備わっていません。町政府も十分な資金が無く、保健所向けの予算は薬の購入費、人件費及びその他の運営費に回され、機材の購入や施設の改修を行う余裕はない状況です。

 

また、町保健所には出産用設備も十分に整っておらず、一度に受け入れられる妊婦の数が一人にすぎないため、町保健事務所の記録によると、過去3年間でスグポン町の約70%の女性が自宅での出産を選択しています。自宅分娩は伝統的産婆による介助を受けるもので、出産時のリスクが高いことが知られています。

 

本件事業では、スグポン町の住民が質の高い保健医療サービスにアクセスできるようにするため、治療室、分娩室、歯科治療室、母子保健室、研究室、病棟(5床)、隔離病棟、事務所及び倉庫を含む保健所を建設するとともに、ベッドや医療機材も供与します。本件事業の実施により、スグポン町の約4,000人の住民がより質の高い保健医療サービスにアクセスできるようになることが期待されます。また、施設・機材の供与により、保健所での施設分娩受入数の増加が見込まれます。

 

(c) Embassy of Japan in the Philippines