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平成22年02月17日

平成21年度草の根・人間の安全保障無償資金協力

ミンダナオ島バンサモロの女性のための技術訓練センター拡張計画

引渡式

 

 

 

2月16日、磯俣秋男在フィリピン大使館公使は、ミンダナオ島 マギンダナオ州スルタン・クダラット町 において、平成21年度草の根・人間の安全保障無償資金協力事業「 ミンダナオ島バンサモロの女性のための技術訓練センター拡張計画 」のセンター引渡式に出席しました。

本件は、2010年3月17日に署名式が行われたものであり、供与額は、 94,516 米ドル(約970万円)です。

 

(案件概要)

比政府とモロ・イスラム解放戦線( MILF )との武力紛争が継続しているミンダナオ島中部では、紛争や病気で夫を亡くした女性とどの家族が厳しい生活を強いられています。特にムスリム女性の場合、初等、中等教育を修了している場合が少なく、低賃金の農業従事者等として働きに出ざるを得ないため、一日の収入は40ペソ(約80円)程度にすぎず、貧困にあえいでいます。

本件被供与団体であるイティハドゥン・ニサ財団(現地の言葉で「女性救済のための女性グループ」の意味)は、団体設立当初から未亡人を含めた社会的に弱い立場にある女性を支援しており、当館は平成18年度にも草の根・人間の安全保障無償資金協力事業によって「バンサモロ女性のための技術訓練センター」建設を支援しました。同センターでは紛争未亡人や貧困状況にある女性、失業中の女性、15~18歳までの孤児等を対象に、食品加工と服飾の技術指導が行われ、訓練を終えた者の多くが、小規模ビジネス等を通じて所得向上を達成しています。

同団体の技術訓練施設は、女性がアクセスしやすいことから、遠方からでも参加を希望する女性が後を絶ちません。そのため、施設は次第に拡張の必要性に迫られるようになり、今回新たな施設の建設を行うこととなりました。

新たな施設では、研修施設のみならず宿泊施設も整備し、遠方からでも参加できる体制となっています。また、技術訓練に必要なミシンや調理器具等の機材も供与しました。

( 了 )

 

(c) Embassy of Japan in the Philippines