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平成22年03月07日

 

平成 21 年度草の根・人間の安全保障無償資金協力

セブ州における小規模果樹農家のための食品加工、供給施設改善計画

引渡式

 

 

 

 3月10日、桂誠駐フィリピン大使は、日本大使館において、被供与団体であるNGO「カピア・ネットワーク」のセレリーナ・ザバラ事務局長との間で、標記案件に係る贈与契約に署名しました。

 資金供与額は、81,911米ドル(約770万円)です。

 

(案件概要)
 フィリピン北部のアブラ州では農業が主産業であり、主にコメ、とうもろこし、さとうきび等が栽培されています。アブラ州には灌漑用水が供給されていない地域も存在し、こうした地域では、多くの水を必要としないさとうきびが主に生産されています。しかしながら、さとうきびの生産だけでは、農家は月2,500ペソ(約5,000円)の程度の収入しか得られず、同地域の平均である6名の家族を養うことは困難な状況です。  

 

 こうした状況下、付加価値の高い製品を生産することによる農家の収入向上の必要性が認識されており、アブラ州政府は、本件被供与団体である「カピア・ネットワーク」の活動を支援しています。「カピア・ネットワーク」は、アブラ州において1村1品運動の製品として認定されたマスコバド糖(サトウキビを原料とする粉末状の黒砂糖)の加工・販売を行っている現地NGOです。マスコバド糖は、マニラ首都圏を中心に自然食品店等で販売されており、年間100トン以上の需要があると見積もられています。しかし、「カピア・ネットワーク」の構成員である農家によるマスコバド糖生産は、現状、非効率な手作業で行われており、2009年の生産量実績は9トンにも満たないものでした。そのため、農場ではマスコバド糖の生産性向上が急務となっています。

 

 本件事業では、「カピア・ネットワーク」に参加している、アブラ州バンゲッド町及び同町に隣接する市町村のサトウキビ農家の収入を増加させるため、マスコバド糖製造施設を建設し、各種機材(サトウキビ圧搾器、サトウキビジュース濾過器等)を供与します。右によって、同地域におけるマスコバド糖の生産量が、現在の年間9トン未満から年間約150トンに増加することが期待されます。

 

(c) Embassy of Japan in the Philippines