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平成22年03月07日

 

平成 21 年度草の根・人間の安全保障無償資金協力

「ベンゲット 州ラ・トリニダッド町における有機堆肥製造施設整備計画

引渡式

 

 

 

 

 

3月9日、桂誠駐フィリピン大使は、ベンゲット州ラ・トリニダッド町において、 「ベンゲット 州ラ・トリニダッド町における有機堆肥製造施設整備計画 」 の施設引渡式に出席しました。

 

本件は、2010年3月10日に署名式が行われたものであり、供与額は、8 9 , 993 米ドル(約926万円)です。

 

(案件概要)

フィリピンのサラダボールとも呼ばれるベンゲット州は、野菜の一大産地として知られており、中でも同州の州都であるラ・トリニダッド町は、国内最大級の野菜市場を有しています。同市場では一日1,000トンもの野菜が取引されており、マニラ首都圏をはじめルソン島全域に流通しています。しかし、ラ・トリニダッド町では、多量の化学肥料や農薬の使用により土壌汚染が進み、植物の生育阻害や病気の発生が頻繁に起きています。また、野菜市場から毎日出される60トンもの野菜くずなどの生ゴミの処理も問題になっています。町政府は、2008年に堆肥製造施設を建設しましたが、財政的な制約により、製造できる堆肥の量は限られています。また、処理できない生ゴミは道ばたやごみ処分場に廃棄されており、衛生環境上、劣悪な状態となっています。

 

本件事業では、既存の堆肥製造施設内に堆肥発酵施設を建設し、有機肥料の生産量増加、生ゴミ量の減少を図ります。右によって、同地域の衛生環境が改善され、より多くの農家に安価な肥料を提供できるようになるほか、従来に比べ、二酸化炭素の排出量が13%、メタンガスの排出量が11%、二酸化窒素の排出量が14%削減されることが推測されるため、温室効果ガスの削減に寄与することも期待されています。また、人力作業より効率的な作業を可能とすべく、堆肥の運搬及び攪拌を行うための小型トラクターの購入についても支援します。

 

なお、ラ・トリニダッド町では、JICAの草の根技術協力を活用して、(社) 国際農業者交流協会による技術支援も実施されており、製造方法を工夫することによって安価な有機肥料を生産することを目指しています。

 

(c) Embassy of Japan in the Philippines