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平成22年03月15日

 

平成22年度草の根・人間の安全保障無償資金協力

サン・ラザロ病院におけるレントゲン装置整備計画

引渡式

 

 

 

 

 

3月14日、桂誠駐フィリピン大使は、マニラ市において、平成22年度草の根・人間の安全保障無償資金協力事業「 サン・ラザロ病院におけるレントゲン装置整備計画 」の機材引渡式に出席しました。

本件は、2010年9月29日に署名式が行われたものであり、資金供与額は、 79,724 米ドル(約749万円)です。

 

(案件概要)

マニラ首都圏マニラ市に位置するサン・ラザロ病院は、肺炎や肺結核等の感染症に関する国立の基幹病院であり、貧しい人々には無料で保健医療サービスを提供しています。現在、同病院では、診察に当たってレントゲン検査を必要とする患者は1日当たり約50~70名存在しますが、老朽化したレントゲン装置が1台しかないため、一日約20~30名程度にしか検査を実施できていません。また、同病院を利用する人々の月収は、2,500~3,500ペソ程度であることから、同病院の利用者が代わりに私立病院でレントゲン検査を行うことも困難な状況です。また、サン・ラザロ病院は、他のフィリピン政府所有の病院と同様、予算不足に直面しており、高額な装置の買い換えを行うことが難しい状況でした。

 

本件事業によって新たなレントゲン装置を購入することで、サン・ラザロ病院は必要のある患者全員にレントゲン検査を行うことができるようになる(1日当たり約70名)見込みです。また、これによって、患者が迅速な検査を受けられずに、肺炎や肺結核を重症化させ死亡に至る危険が減少することが期待されます。

 

このような感染症や各種の疾病に対する協力等保健分野での支援を含む草の根無償資金協力は「人間の安全保障」の確保に資するものであり、フィリピンでは1989年から現在に至るまでの間に、計441件の事業を実施してきています。このような草の根レベルの支援についても我が国は従来より積極的に取り組んできており、本事業は我が国とフィリピンとの戦略的パートナーシップを育むことにも寄与するものです。

 

 

(c) Embassy of Japan in the Philippines