ホーム - プレスレリース

平成22年04月18日

 

日本NGO連携無償資金協力

北サンボアンガ州救急車及び消防車寄贈事業

引渡式

 

 

 

4月14日、 磯俣秋男在フィリピン大使館公使 は、ミンダナオ島北サンボアンガ州ディポログ市において、 日本NGO連携無償資金協力「 北サンボアンガ州救急車及び消防車寄贈事業 」の引渡式に出席しました。

本件事業は、日本のNGOである「財団法人オイスカ」によって実施されるものであり、2010年11月26日に本邦において外務本省とオイスカとの間で贈与契約への署名が行われました。資金供与額は、 547,970円(寄贈される中古救急車及び中古消防車の輸送費等) です。

 

(案件概要)

北サンボアンガ州の州都であるディポログ市は、総人口約11万人の都市です。同市では、2008年に大規模な病院(約150床近くのベッド数を有する公立病院)が建設され、2010年には救急車が1台配備されました。しかし、ディポログ市によれば、その搬送能力は人口の規模に比して十分ではなく、周辺の町村も含めて年間50~60名の重傷・重病患者が病院への搬送が間に合わずに死亡していると推定されています。また、ディポログ市近隣のピニアン町においても、救急車が1台配備されていますが、老朽化して破損も生じているため、使用されていない状況にあります。また、ディポログ市では、2009年、大規模火災4件を含む約30件の火災が発生しましたが、消防車が1台しか配備されていないため、有効な消火活動を実施することができませんでした。

 

こうした状況にも関わらず、市政府や町政府には新たな救急車・消防車を購入する財政的余裕が無い状況であったため、同地域で長年に亘って植林等の技術協力を行ってきた「財団法人オイスカ」は、愛知県豊田市から中古の救急車及び消防車の寄贈を受け、これらを日本から輸送して、供与することとしました。日本からの輸送費は、日本NGO連携無償の資金によって賄われています。この事業によって、ディポログ市に中古救急車2台及び中古消防車1台、ピニアン町に中古救急車1台が寄贈されます。

 

日本NGO連携無償資金協力は、日本のNGOが開発途上国で実施する各種開発事業を支援するスキームです。フィリピンでは、2002年から計24件が実施されており、供与された資金の累積額は約2億6千万円に上ります。我が国は、こうした日本のNGOと連携しつつ現地の住民やコミュニティーを支援する案件についても従来から取り組んできており、本件事業は我が国国民とフィリピン国民との友好協力関係を一層増進するとともに、両国間の戦略的パートナーシップを育むことにも寄与するものです。

 

 

(c) Embassy of Japan in the Philippines