「日・ARMM友好会館及び訓練施設」(ノンプロジェクト無償・見返り資金事業)の開所式及び 「 ミンダナオ島北コタバト州リブンガン・トレータ小学校・中等学校校舎整備計画」( 草の根・人間の安全保障無償資金協力事業)の施設引渡し式について
8月19日、卜部敏直駐フィリピン大使は、コタバト市イスラム教徒ミンダナオ自治地域(ARMM : Autonomous Region in Muslim Mindanao )政府敷地内にて行われる「日・ARMM友好会館及び訓練施設」開所式及び、北コタバト州ピグカワヤン町にて行われる「 ミンダナオ島北コタバト州リブンガン・トレータ小学校・中等学校校舎整備計画 」の施設引渡式に出席します。
「日・ARMM友好会館及び訓練施設計画」は、第6次ノンプロジェクト無償・見返り資金事業として行われ、供与額は2,880万ペソです。
「日・ARMM友好会館及び訓練施設」は、ARMM政府直属機関の人材育成計画及び、近接する行政地域のための人材トレーニング・センターとして活用されることが予定されており、 ARMM地域の人材育成計画の推進を担うARMM開発アカデミー(ADA :ARRM Development Academy )の活動の場となります。我が国が現在行っている、ARMM人材育成プロジェクトやARMM地域開発シニア・アドバイザー派遣などの他のODA事業と併せて、本施設 が、ARMM及び他の地域行政機関の人材育成に貢献することが期待されます。
「 ミンダナオ島北コタバト州リブンガン・トレータ小学校・中等学校校舎整備計画 」は 草の根・人間の安全保障無償資金協力事業として行われ、 本件事業の供与額は、 181,124 米ドル(約1,860万円)です。
2008年、本件の事業サイトである、北コタバト州リブンガン・トレータ村は、かつて紛争影響地域であった北コタバト州ピグカワヤン町において、国内避難民の避難センターとして指定されています。国内避難民の流入は、児童の増加と学校の教室数の不足を招き、学習スペースの拡大が望まれていました。今回のプロジェクトで、リブンガン・トレータ小学校における老朽化した3つの教室の改修及び8つの教室の建設と、リブンガン・トレータ中学校における4つの教室の建築が行われました。教室の改修・建設は、バランガイの児童の学習環境の改善を目的とし、在フィリピン日本大使館の支援の下、地域NGO団体であるムスリム青年宗教組織によって行われました。
我が国はこれまで、ミンダナオの紛争影響地域の平和と発展に資するよう、J-BIRD( Japan-Bangsamoro Initiatives for Reconstruction and Development 、同地域における日本の支援案件の総称)を推進してきました。「日・ARMM友好会館及び訓練施設」及び「 ミンダナオ島北コタバト州リブンガン・トレータ小学校・中等学校校舎整備計画 」も、J-BIRDのプロジェクトです。また、これらの事業は、我が国とフィリピンとの戦略的パートナーシップを育むことにも寄与するものです。
我が国は今後も、フィリピン政府による貧困の解消と経済の発展の取り組みへの支援を継続していく考えです。