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平成24年01月13日

草の根・人間の安全保障無償資金協力

パラセリス町における地域保健所改築計画

贈与契約署名式

 

 

1月13日、卜部敏直駐フィリピン大使は、日本大使館において、被供与団体である パラセリス町 の アベリノ・アマンエン町長 との間で、標記案件に係る贈与契約に署名しました。

資金供与額は、 98,418米ドル(約875万円) です。

 

(案件概要)

ルソン島北部のマウンテン・プロビンスに位置するパラセリス町は、人口は約25,000人で、9つのバランガイから成っています。町の主要産業は農業で、コメやトウモロコシが栽培されています。住民の平均月収は、約3,000ペソ(6,000円程度)にすぎず、貧困率は50%を超える高い水準にあります。

 

町の保健所は、老朽化が激しく、壁や床にひび割れが生じており、天井からも雨漏りがしています。2009年には大型台風の被害を受け、更に状況が悪化しました。スペースも不十分で、医師との面談を行う場所が限定され患者のプライバシーを守るのが困難となっています。また、パラセリス町はマウンテン・プロビンスの中でも結核患者が多い地域であり、保健所を訪れる患者の3~4割程度が結核の疑いを持たれる状態ですが、結核治療を行うための治療室もありません。一方、町から近隣の病院までは何時間もかかり、特に雨期には移動が困難となるため、町保健所の機能強化が急務となっていました。

 

 本件事業では、パラセリス町の医療保健サービスを向上させるため、既存の町保健所を改築します。また、町政府の負担により、新たな医療機材も整備されます。

 

このような貧困層の福祉向上に資する支援を含む草の根・人間の安全保障無償資金協力は「人間の安全保障」の確保に資するものであり、フィリピンでは1989年から現在に至るまでの間に、計456件の事業を実施してきています。本件事業は我が国とフィリピンとの間の戦略的パートナーシップを更に強化することにも資するものです。

 

(了)

 

 

 

(c) Embassy of Japan in the Philippines