3月28日、マニラにおいて、「ビジネス環境の整備に関する小委員会」第4回会合が、日比経済連携協定(JPEPA:Japan-Philippines Economic Partnership Agreement)の規定に基づき、開催されました。卜部敏直駐フィリピン大使及びアドリアン・クリストバル比貿易産業省次官が共同議長を務めました。
今次会合には、フィリピン政府の関係各省庁から出席があり、日本側からも、在フィリピン日本大使館、JICA、JETRO等関係機関から出席しました。また、民間部門を代表して、日本側からは、一木伸也フィリピン日本人商工会議所(JCCI)会頭をはじめとするJCCI関係者が、また、フィリピン側からはギレルモ・ルス・フィリピン国家競争力評議会(NCC)議長が代表として出席しました。
今次会合では、2008年12月に発効した日比経済連携協定が、実施面において着実な前進を遂げていることが確認されました。また、双方は、現時点ではJPEPAの効果について全面的な評価を行うには時期尚早であるとの認識を共有しつつも、日比間の貿易及び投資に関する最近のデータは、日比両国が直面する厳しい経済状況にもかかわらず、以下のように大変勇気づけられるものであることを確認しました。
a.2011年の日比間の貿易額は、2010年に比べて増加。フィリピンの日本への輸出額は、2010年の78.0億米ドルから2011年は89.0億米ドルへと増加し、日本は引き続き最大の輸出先国となった。フィリピンの日本からの輸入額は、2010年の67.5億米ドルから2011年は65.0億米ドルへとやや減少したが、日本は引き続き最大の輸入相手国となった。
b. 2011年の日本からフィリピンへの海外直接投資額は774億ペソであり、引き続き日本はフィリピンに対する最大の投資国。
今次会合において、双方は、最近の日本企業の新規投資表明や、3月初めの経団連ミッションをはじめとする日本からの相次ぐ経済ミッションの来比にも見られるとおり、日本の投資家の対比投資への関心が高まっていることに留意しました。双方は、また、このモメンタムを活用してフィリピンへ更なる投資を呼び込むために、ビジネス界と対話を継続し、具体的な問題の解決を着実に図っていくこと、そのためには行政の透明性、予見可能性及び一貫性が重要であることを再確認しました。
また、VAT還付問題を含む税に関する問題や、電力の価格や需給見通しの問題、道路・港湾・空港等の物流インフラの問題、人材育成の問題等について議論されました。
双方は、フィリピンへの投資を更に促進するため、ビジネス環境についての対話を継続することについて合意し、2012年9月に「ビジネス環境の整備に関する小委員会」の次回会合を開催することとしました。なお、第1回、第2回及び第3回の同小委員会は、2009年6月、2010年5月及び2011年9月にそれぞれ開催されています。