
3 月 30 日に国立熱帯医学研究所( RITM )付属の国立結核研究所( NTRL )において 10 周年記念式典が開催され、在フィリピン日本大使館から加藤公使が出席してスピーチを行いました。式典には WHO フィリピン事務所のソー代表 も出席しました。式典では、世界エイズ · マラリア · 結核対策基金(世界基金)の支援により設立された多剤耐性結核菌を検査するための高度安全検査室( BSL3 )の引き渡しも行われました。

日本政府からの政府開発援助により 1981 年 4 月に設立された国立熱帯医学研究所は感染症や熱帯医学を研究する拠点としての役割を果たしています。また、付属の国立結核研究所( NTRL )はフィリピンの結核対策の中央検査室として機能しています。
現在においても、結核は世界中の何百万人もの人々を感染させる生命を脅かす疾患の一つです。 WHO の 2011 年の資料によると、フィリピンでは結核により年間 10 万人あたり 33 人が死亡しており、フィリピンは世界に 22 カ国ある高死亡率国の一つとされています。結核やその他の感染症を克服するために、日本政府は国際機関と協働し、フィリピン政府の様々な取り組みを支援してきています。
今般、フィリピンの結核対策を強化するため、 国立結核研究所( NTRL )に開設された 高度安全検査室は WHO の基準を満たしており、フィリピンの結核対策プログラムを強化するものです。
このような保健分野への協力は、日本政府が推進している「人間の安全保障」の確保に資するものであり、自然災害等のリスクに対する脆弱性の克服及び生活基盤の安定・強化といった観点からも保健医療分野における協力は重要です。また、同分野での協力は、両国間の戦略的パートナーシップの一層の発展にも寄与するものです。