6月7日及び8日、卜部敏直駐フィリピン国大使は、マギンダナオ州スルタン・クダラット町において、2件の草の根・人間の安全保障無償資金協力の施設引渡式に出席しました。それぞれの案件の概要は下記のとおりです。
これら2件は、J-BIRD ( Japan-Bangsamoro Development Initiatives for Reconstruction and Development )の一環として実施されました。J-BIRDは、我が国によるミンダナオの和平と復興に資する支援の総称です。これまでに、J-BIRDの下、実施されている事業の概要に関しては、別紙を参照下さい。
1.人材育成のための研修センター建設計画(7日)
ミンダナオの社会・経済の発展のためには、次世代を担う指導者の育成が重要であることから、当地NGO「バンサモロ・リーダーシップ・アンド・マネージメント・インスティテュート(BLMI)」は、地方公共団体職員、女性、若者らを対象としてリーダーシップや統治に関する各種研修を実施しています。BLMIは、自前の研修施設を持たず、借り上げによって研修を行っていたため、定期的な研修の実施が難しく、対象者の数も限定されていました。今回の支援により、2階建ての研修センターを建設し、必要な備品(ホワイトボード、椅子等)を整備しました。
事業の供与額は、 98,230米ドル(約920万円) です。
2.職業技術訓練開発センター建設計画(8日)
ミンダナオの紛争影響地域には、経済的な理由から正規の教育を受けられない子ども達が多く存在することから、当地NGO「スルタン・ムハマッド・ディパトゥアン・クダラット・イスラミック学術財団(SKIA)」では、私立の教育機関を運営し、中等学校レベルの教育を提供しています。SKIAは、技術教育・技能開発庁(TESDA)とも連携して溶接、電気配線、大工、車両整備等の職業訓練も実施していますが、訓練のための専門の施設を持たず、対象者の数が限定されていました。今回の支援により、2階建てのセンターを建設し、必要な備品(ホワイトボード、椅子等)を整備しました。
事業の供与額は、93,043米ドル(約870万円)です。
J-BIRD