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平成24年08月20日

 

草の根・人間の安全保障無償資金協力

スルタン・クダラット州農地改革地域受益者のための

収穫後処理施設建設計画 」 引渡式

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

 

8月18日、卜部敏直駐フィリピン国大使は、スルタン・クダラット州イスラン町において、我が国のODAによる支援である草の根・人間の安全保障無償資金協力「 スルタン・クダラット州農地改革地域受益者のための収穫後処理施設建設計画 」の引渡式に出席しました。マングダダトゥ・スルタン・クダラット州知事、モハマドIMTチームサイト4リーダー、ソルGPH-CCCH書記長、ラディアサンMILF-CCCH書記長、ヤコブ・バンサモロ開発庁長官の他、 ブアル農地改革受益者共同組合からはアンプトゥアン代表が本引き渡し式に出席しました。

本件事業の供与額は、 89,538米ドル(8,416,572円)です。

 

本事業は、スルタン・クダラット州イスラン町ブアル地区における農地改革地域受益者のために、倉庫、精米所、籾乾燥施設、トラック、トウモロコシ脱粒機、代掻き機、耕耘機、脱穀機、精米機などの収穫後処理施設及び関連機械を整備することで、本地域の農家が抱えている苦境を軽減し、農家の収入を確保するものです。

 

ブアル地区は、 1980 年代の後半から 1990 年代の前半にかけて当時 MNFL (モロ民族解放戦線)と政府軍との間で紛争が起こった地区でもあり、家や施設は破壊され、多くの農民が避難せざるを得ませんでした。

 

紛争終結後に営農が再開された後も、ブアル地区には、農業施設や機器が十分になく、そのため農業生産性が低く留まっており、イスラン町の中で最も貧しい地区となっています。農業機材をレンタルすることも可能ですが、いつでも利用可能なわけではなく、また使用料も高額になりがちです。したがって、必要な時期に必要な機材を使うことができず、本来の生産潜在力が発揮できない上、病気や災害を受けやすくなるなどの困難が生じています。

 

本事業は、この状況を改善するため、ブアルに収穫後処理施設を設置し、農作業のスケジュールを管理することにより、適期での農作業を可能とし、コストの削減、生産量の拡大、および品質向上による農家の収入向上と生活状況を改善することをねらいとするものです。本事業により、ブアル地区農地改革受益者共同組合 325 名とその家族が恩恵を受けることとなります。