

11月7日、清水在フィリピン大使館公使は、スルタン・クダラット州エスペランザ町において行われた平成23年度日本NGO連携無償資金協力案件「気候変動適応のための小規模農業施設の建設」引き渡し式に出席しました。式典には、福永同一等書記官及び中川同一等書記官のほか、エスペランザ町からはラトグ町長等が出席しました。
また、11月8日には、本件事業のもう1箇所の実施地であるラナオ・デル・スール州バラバガン町において行われた引き渡し式には、福永書記官、サンピアノ副町長等が出席しました。
両日ともに、本事業の申請団体である「(特活)オックスファム・ジャパン」からは、高橋聖子プログラム・オフィサーおよび椰野プロジェクト・コーディネーターが式典に参加しました。
本件事業は、本年2月20日に署名式が行われたもので、供与額は399,263米ドル(約3,550万円)です。本件事業では、収穫後処理施設及び用水路の整備に加え、事業管理等のためのトレーニングを実施することで、1200世帯以上の農民の生活向上が期待されます。また、こうした草の根レベルの活動への支援を通じて、日比両国民間の有効と両国間の戦略的パートナーシップが更に深まることが期待されます。
(案件概要)
バラバガン町での事業では、キャッサバ乾燥機を付属させた倉庫を町の6か所に建設します。また、各地区の農家が共同で使用するキャッサバ粉末化機1台も整備します。
エスペランザ町での事業では、コメとトウモロコシの収穫後の天日干しを行う施設と倉庫を町内の3か所に設置します。また、水田を走る主要な用水路約1キロメートルのコンクリート化を行います。
本件事業によって、エスペランザ町では穀物の収穫量が増え、また、2町において、収穫後の損失が減少し、作物に付加価値がつけられるようになります。これによって、農作物の市場へのアクセスが向上し、農家の収入が増えることが期待されます。本件事業では、施設を適切に維持管理できるよう、農家を対象としたトレーニングも実施します。
日本NGOによる途上国での開発事業を支援する日本NGO連携無償は、2002年から開始されました。フィリピンでは、現在までに計29件の事業を支援してきており、支援総額は約3億8千万円に上っています。 本件事業は我が国とフィリピンとの間の戦略的パートナーシップを更に強化することにも資するものです。