
11月23日、卜部敏直駐フィリピン大使は、日本大使館において、「(特活)アジア日本相互交流センター(ICAN)」の野村幸代フィリピン事務所代表との間で、本件事業の贈与契約に署名しました。
資金供与額は、654,341米ドル(約5千3百万円)です。
(案件概要)
ミンダナオ島コタバト州に位置するピキット町は、人口約10万人を抱え、イスラム教徒が約75%、キリスト教徒が約25%を占めています。同町は、過去に幾度も紛争の激戦地となり、多くの住民が避難と帰還を繰り返してきました。現在は武力衝突が落ち着いていますが、復学を望む子供たちが増える一方で、教育基盤の整備は遅れています。
本件事業では、ピキット町マリダガオ河沿い地域にある、ダトゥ・エンバック・マンガンシン中学校、バラバック小学校、及びバラティカン小学校の校舎及び備品を整備するとともに、平和活動促進のための研修や環境整備を行います。これらの事業内容は、紛争被害に遭った子どもたちの初中等教育環境を向上させ、草の根レベルでの平和を定着させることを目的としています。
同団体によるピキットでの活動としては、同事業のフェーズ1として、スルタン・メモリアル中学校の校舎建設および平和活動促進のための研修が実施されています。
日本NGOによる途上国での開発事業を支援する日本NGO連携無償は、2002年から開始されました。フィリピンでは、現在までに計30件の事業を支援してきており、支援総額は約4億3千万円に上っています。 本件事業は我が国とフィリピンとの間の戦略的パートナーシップを更に強化することにも資するものです。