11月22日、卜部敏直駐フィリピン大使は、日本大使館において、「(特活)アジア日本相互交流センター(ICAN)」の野村幸代フィリピン事務所代表との間で、本件事業の贈与契約に署名しました。
資金供与額は、557,148米ドル(約4,570万円)です。
(案件概要)
ミンダナオ島コタバト州に位置するピキット町は、人口約10万人を抱え、イスラム教徒が約75%、キリスト教徒が約25%を占めています。同町は、過去に幾度も紛争の激戦地となり、多くの住民が避難と帰還を繰り返してきました。現在は武力衝突が落ち着いていますが、復学を望む子供たちが増える一方で、教育環境の整備は十分ではありません。
本件事業では、我が国政府の資金により、ミンダナオ島コタバト州ピキット町の3つの小学校(マリク・メモリアル小学校、ナブンダス小学校及びゴコタン小学校)に、それぞれ1校舎2教室の建築を行い、机・椅子・キャビネット等の備品を整備します。また、平和活動促進のための研修や、異なる民族の子どもたちが相互に信頼を醸成しミンダナオの未来について話し合うための「ミンダナオ子ども議会」の開催といったソフト・コンポーネントを実施します。
同団体はこれまでもピキットにおいて、日本NGO連携無償資金協力を通じて、校舎建設および平和活動促進のための研修を実施しています。
日本NGOによる途上国での開発事業を支援する日本NGO連携無償は、フィリピンにおいては2002年から開始されました。フィリピンでは、現在までに計34件の事業を支援してきており、支援総額は約5億6千万円に上っています。本件事業は我が国とフィリピンとの間の戦略的パートナーシップを更に強化することにも資するものです。
( 了 )