2月20日、卜部敏直駐フィリピン大使は、日本大使館において、被供与団体であるデル・カルメン町のコロ町長との間で、標記案件に係る贈与契約に署名しました。
資金供与額は、115,495 米ドル(約935万円) です。
(案件概要)
スリガオ・デル・ノルテ州デル・カルメン町管轄内の離島であるカンボンヨ島にある唯一のバランガイであるカウブでは、どの井戸も給水量が減少し、急速に塩水化してきたため、飲用水及び生活用水の確保が喫緊の課題となっています。安全な飲用水を日常的に本島から購入することは費用がかさむため、現実的な選択肢ではありません。一方で、デル・カルメン町の自己予算で、水質改善や給水システムの構築することも困難な状況にあります。結果として、同バランガイの住民は、飲用には適さない井戸の水を利用せざるを得ず、感染症の罹患者が多く発生しています。
この問題を解決するため、同町は、我が国の草の根・人間の安全保障無償資金協力により、本島からカウブへ安全な水を輸送するための専用水輸送船を一隻整備するとともに、カウブにおいて、貯水タンク一基、給水ステーション4ヶ所、及びタンクとステーションを結ぶ送水管を設置・敷設します。
本件プロジェクトを通じて、2,000名近い同バランガイ住民が、安全な水へのアクセスを得ることになります。
草の根・人間の安全保障無償資金協力は「人間の安全保障」の確保に資するものであり、フィリピンでは1989年から現在に至るまでの間に、計469件の事業を実施してきています。こうした草の根レベルの支援についても我が国は従来より積極的に取り組んできており、本件事業は我が国とフィリピンとの戦略的パートナーシップを育むことにも寄与するものです。
(了)