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平成25年2月21日

 

平成 23 年度日本 NGO 連携無償資金協力「ヌエバ・ビスカヤ州における有機・

減農薬農産物の生産を通じた貧困農民の生計向上支援」における小規模灌漑施設引渡式典

 

 

青木龍太郎在日本国大使館一等書記官は、2月20日(水)、平成 23 年度日本 NGO 連携無償資金協力「ヌエバ・ビスカヤ州における有機・減農薬農産物の生産を通じた貧困農民の生計向上支援」の小規模灌漑施設引渡式典に出席しました。式典には、本件事業の実施団体であるジーエルエム・インスティチュート及びフィリピン側のカウンターパート団体であるフィリピン農村再建運動の他、ヌエバビスカヤ州の関係地方自治体の首長や現地の裨益農民等が出席しました。

 

本件は、平成24年3月8日に日本外務省と我が国 NGO 「ジーエルエム・インスティチュート」との間で契約締結が行われたものであり、供与限度額は、42,571,511円です。

 

プロジェクトで整備した小規模灌漑施設

 

案件の概要)

ヌエバ・ビスカヤ州は、豊かな森林資源と生態系が息づくカラバロ山脈をまたぎ、大穀倉地帯の水源であるマガット川とカガヤン川の流域に位置しています。しかし違法伐採や焼き畑が横行し、一方で適切な森林管理が行われてこなかったことから、同州の森林は荒廃の一途を辿っています。このため、フィリピンの穀倉を潤すべき水源が干ばつの影響を受けやすくなっているのみならず、地域住民は土石流・洪水災害等に直面しています。

 

こうした中、日本の NGO であるジーエルエム・インスティチュートは、2002年以降、ヌエバ・ビスカヤ州において、地域住民主体の森林保全組合の創設・育成、山間地居住者の生計向上を通じた違法伐採当の抑止を実施してきました。

さらに、2008年からは、日本 NG O連携無償資金協力のスキームによる日本政府の支援も得て、同州8町村において、バランガイの住民を中心とした、持続可能な農業・森林管理技術の普及を通じた森林保全強化や小規模かんがい施設の設置などの取り組みを進めてきました。

こうした中、本年から始まった本事業では、この地域の有機・減農薬農産物生産者の生計向上を図っていくため、これまでの取り組みをさらに促進させて、収益性の高い有機・減農薬農産物の生産に対する支援や消費者との交流等によるこうした農産物の販売ルートの構築、経営・販売に関する研修の実施等、生産者の能力強化等に取り組んでおり、具体的には、ビニルハウスの導入や栽培指導、小規模かんがい施設の設置のほか、州内外におけるファーマーズ・マーケットの開催や農産物のマニラ首都圏への試行的な販売などの取組を行っています。

これまでの取り組みによって参加住民の熱意は高まっており、これらの取り組みを更に進めて、貧困農民の生計を向上し、環境に配慮した持続可能な農業生産がこの地域に定着・普及していくことが期待されます。

 

 

(了)