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平成25年2月25日

 

平成23年度草の根・人間の安全保障無償資金協力

「 障害者研修施設建設計画 」引渡式典及び

アキノ大統領による同施設訪問

 

 

 

2月22日、アキノ・フィリピン大統領は 、日本大使館の 草の根・人間の安全保障無償資金協力で建設 された障害者訓練施設を視察しました。同視察は、本件事業の被供与団体である 「階段のない家(TWH)」の創立40周年記念の一環として行われました。 アキノ大統領は、スピーチの中で、同 施設建設に対する我が国の支援に感謝を表明するとともに、同施設はTWHの今後の活動を支え成功に導くものであると述べ、本件事業を賞賛しました。

 

同日、平成23年度草の根案件 「障害者研修施設建設計画」の引渡式典が執り行われ、竹若敬三次席公使が出席しました。本件の 資金供与額は、91,127米ドル(約810万円)です。

 

 式典には、ソリマン社会福祉開発大臣、アカオイリTWH代表、イナレス・リサール州知事、イラガン・カインタ町長等が同席しました。

(案件概要)

フィリピンでは障害者に対して特殊教育や訓練を行う施設は少なく、障害者の雇用機会も限定的です。TWHは、リサール州カインタ町における施設において、障害者の自立・社会参画を促すため、障害者への医療支援(リハビリ、心理ケアを含む)、バスや車椅子の貸し出しによる移動支援、生計向上支援などを約40年間に渡って実施してきています。現在リサール州に居住する障害者のうち約800名が、このNGOの支援を受けています。一方、団体の施設内には研修を実施するための専用施設がなく、廊下、ロビー、寮の一室等を便宜的に使用している状況です。そのため、車椅子を使用する障害者が手狭なスペースで受講せざるを得ないなど、効果的な研修を実施することができていません。

 

 本件事業では、TWHのリサール州カインタ市の施設内に新たに研修施設を建設し、効果的な研修を実施するためのプロジェクターやスクリーンといった機材を整備します。新たな施設において、年間のべ3,800名程度の障害者が各種研修を受けられる他、学生や民間企業の従業員を招き、障害者の現状やTWHの試みについての理解を深める啓発活動も行われます。

 

このような貧困層の福祉向上に資する支援を含む草の根・人間の安全保障無償資金協力は「人間の安全保障」の確保に資するものであり、フィリピンでは1989年から現在に至るまでの間に、計469件の事業を実施してきています。本件事業は我が国とフィリピンとの間の戦略的パートナーシップを更に強化することにも資するものです。

 

 

(了)