3月14日、卜部敏直駐フィリピン大使は、北コタバト州ピキット市において、草の根・人間の安全保障無償資金協力「ミンダナオ島北コタバト州ブアラン小学校における7教室の校舎建設計画」の引渡式に出席しました。式典には、ヤコブ・バンサモロ開発庁(BDA)事務局長や松居 ミンダナオ子ども図書館財団(MCLFI)事務局長の他、地方自治政府、及び教育省と社会福祉開発省の地方事務所の代表が出席しました。
資金供与額は、 99,465米ドル(約934万円) です。
(案件概要)
本件事業は、現地NGOであるMCLFIにより実施されました。同事業を通じて、 トイレ付きの1校舎7教室が建設されるとともに、生徒用机・椅子350台、教員用机・椅子7台、教室用備品が整備されました。
ブアラン小学校は、ピキット町の最も古い学校の一つで、長年に亘って紛争の影響を被っています。ブアラン小学校は、過去30年間、あり合わせの校舎で授業を行っており、教室不足のため、6年生及びプレスクールの生徒は、保護者会(PTCA)が作った、壁と床の無い、粗末な教室での授業を余儀なくされていました。床や壁にはひび割れが生じているため、雨期には生徒がずぶ濡れになり、また床が泥だらけになる等、生徒達の学習環境も劣悪でした。
本件事業は、我が国によるミンダナオの和平と復興に資する支援(J-BIRD)の一環です。J-BIRDは、2006年に立ち上げられて以来、ミンダナオの紛争影響地域における和平プロセスと開発に貢献してきました。J-BIRDの目的は、人間の安全保障の原則に基づいた日本のODAを通じて、同地域の人々とコミュニティが平和の配当を享受することにあります。J-BIRDとして実施された草の根・人間の安全保障無償資金協力はこれまで58件を数え、その総額は約4,700万米ドルです。
(了)