18日、マニラにおいて、卜部敏直駐フィリピン日本国大使とアルバート・デル・ロサリオ・フィリピン共和国外務大臣 ( Mr. Albert F. del Rosario 、 Secretary of Foreign Affairs ) との間で、ノン・プロジェクト無償資金協力である「医療機材ノン・プロジェクト無償(6億円)」及び「中小企業を活用したノン・プロジェクト無償(2億円)」に関する書簡の交換が行われました。
「医療機材ノン・プロジェクト無償」は、我が国の優れた医療機材をフィリピンの公立病院等に整備するための資金を供与するものです。これにより、フィリピン政府が進めている保健分野における経済社会開発努力の促進に貢献するとともに、我が国の企業が生産した医療品を調達することにより、今後の我が国の企業の同国への展開の足がかりになることが期待されます。
「中小企業を活用したノン・プロジェクト無償」は、フィリピン政府が進めている脆弱性克服のための各種施策を実施する上で必要とされる機材を購入するための資金を供与するものです。これにより、同国の経済社会開発努力の促進に貢献するとともに、我が国の中小企業が生産した製品を調達することにより、我が国の中小企業の同国への展開の足がかりになることが期待されます。
両プロジェクトとも、具体的な供与物品については今後決定されますが、例えば、「医療機材ノン・プロジェクト無償資金協力」においては、超音波診断装置やX線装置等の画像診断機材等、「中小企業ノン・プロジェクト無償資金協力」においては、気象や河川の状態の観測に関する計器類やシステム等、いずれも我が国企業の高い技術を活かした製品を供与することが見込まれます。
これらの協力を通じて、フィリピンの政策支援を図ると同時に、今後の我が国の企業の海外展開が促進され、我が国とフィリピンとの経済関係が一層強化されることが期待されます。
今回署名された案件は、フィリピン保健医療状況の改善や防災対策強化を通じて、疾病や災害など、特に貧困層への影響が大きい各種リスクに対する脆弱性の克服及び生活基盤の安定・強化に資することが期待され、「フィリピン開発計画2011-2016」で掲げられる「包摂的成長」の考えにも合致するものです。また、本案件は、日・フィリピン両国間の戦略的パートナーシップの一層の発展にも寄与するものです。
(了)