5月29日、卜部敏直駐フィリピン大使は、ラナオ・デル・スール州ブボン町において、草の根・人間の安全保障無償資金協力「ラナオ・デル・スール州ブボン町における農業施設・機材整備計画」の引渡式に出席しました。式典には、被供与団体である「リソース・マネジメント・フィリピン財団」の他、地方自治政府関係者などの代表が出席しました。
資金供与額は、97,058米ドル(約864万円)です。
同引渡式におけるスピーチで、卜部大使は、ブボン町の人々が自ら主体性を持ってよりよい生活のための努力をすることの重要性を強調しました。
(案件概要)
地域の住民の大半は農業に従事しコメを栽培していますが、その殆どが貧困ライン以下での生活を強いられています。その大きな要因となっているのが、伝統的な農法による生産性の低さです。また、収穫後処理施設の不備も、生産物の質の低下をもたらし、ひいては農家の収入減に繋がっています。
本件事業では、現地NGO「リソース・マネジメント・フィリピン財団」を現地団体として、保管倉庫建設、天日干し乾燥施設建設、小型トラクター、殺虫剤噴霧器、脱穀機、精米器、及びトラックを整備します。
本件事業は、我が国によるミンダナオの和平と復興に資する支援(J-BIRD)の一環です。J-BIRDは、2006年に立ち上げられて以来、ミンダナオの紛争影響地域における和平プロセスと開発に貢献してきました。J-BIRDの目的は、人間の安全保障の原則に基づいた日本のODAを通じて、同地域の人々とコミュニティが平和の配当を享受することにあります。J-BIRDとして実施された草の根・人間の安全保障無償資金協力は2013年3月までに65件を数え、その総額は約538万米ドルです。 本件事業は我が国とフィリピンとの間の戦略的パートナーシップを更に強化することにも資するものです。
( 了 )