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平成25年09月23日

 

平成24年度日本NGO連携無償資金協力
「ミンダナオ島先住民族の子どもたちの地域開発プロジェクト」(フェーズ2)
「ミンダナオ島紛争地ピキットにおける教育を通じた平和構築事業(フェーズ2)」 引渡式

 

 




                           

9月17日及び18日、ミンダナオにおいて、日本大使館より日本NGO連携無償資金協力として資金を供与し、日本のNGOであるICANが実施した2件のプロジェクトの引渡式がそれぞれ開催されました。

 

17日には、ジェネラル・サントス市のビアオ小学校において、「ミンダナオ島先住民族の子どもたちの地域開発プロジェクト」(フェーズ2)の引渡式が開催され、ロンネル・リヴェラ・ジェネラル・サントス市長や教育省の代表、ICAN及び大使館の代表等が出席しました。同案件の資金供与額は、240,693米ドル(約1,950万円)です。

 

ミンダナオ島南部に住むブラアン族やティボリ族といった先住民族は、しばしば差別的な扱いを受けることがあり、また都市部から離れ厳しく貧しい暮らしを強いられています。このような先住民に対しては、教育、保健医療、生計向上といった分野における支援の必要があり、さらに先住民族が抱える特有の劣等感を取り除くための取り組みも求められていました。本件事業では、ジェネラル・サントス市サンホセ村のビアオ小学校における教室の建設及び机、椅子、黒板といった備品の整備を行いました。また、同プロジェクトは、児童会の強化、先住民の子ども向けの教育についての教員の強化、コミュニティ・レベルでの保健環境向上活動、手工芸品の生産、販売、マーケティング等による生計向上も含んでいます。

 

18日には、ピキット町のダトゥ・エンバック・マンガンシン中等学校において、「ミンダナオ島紛争地ピキットにおける教育を通じた平和構築事業(フェーズ2)」の引渡式が開催され、エミールー・タリーニョ=メンドーサ・コタバト州知事、ムハイリン・スルタン=カシ・ピキット町長、ハーシム・マンティカヤンBDA中央ミンダナオ地域マネージャー、アブドッラー・スガギル・MNLFピキット地域議長、シーザー・ディオニシオ・セディリオGPH-CCCH議長、イチャイリルIMTチームサイト1リーダー、教育省の代表、ICAN及び大使館の代表等が出席しました。同案件の資金供与額は、654,341米ドル(約5,300万円)です。

 

ミンダナオ島コタバト州に位置するピキット町は、過去に幾度も紛争の激戦地となり、多くの住民が避難と帰還を繰り返しており、復学を望む子供たちが増える一方で、教育基盤の整備は遅れています。本件事業では、ピキット町マリダガオ河沿い地域にある、ダトゥ・エンバック・マンガンシン中等学校、バラバック小学校、及びバラティカン小学校の校舎及び備品を整備するとともに、平和活動促進のための研修や環境整備を行いました。これらの事業内容は、紛争被害に遭った子どもたちの初中等教育環境を向上させ、草の根レベルでの平和を定着させることを目的としています。

 

日本NGOによる途上国での開発事業を支援する日本NGO連携無償は、2002年から開始されました。フィリピンでは、現在までに計33件の贈与契約が締結されており、支援総額は約5億1千万円に上っています。本件事業は我が国とフィリピンとの間の戦略的パートナーシップを更に強化することにも資するものです。

 

 

( 了 )