1月29日、卜部敏直駐フィリピン大使は、マニラ首都圏モンテンルパ市において、草の根・人間の安全保障無償資金協力「ワクチン貯蔵施設における予防接種拡大普及のための大型冷凍庫整備計画」の引渡式に出席しました。式典には、被供与団体である「熱帯医学研究所」関係者の他、政府関係者などの代表が出席しました。
資金供与限度額は、89,622米ドル(約730万円) です。
同引渡式におけるスピーチの中で、卜部大使は、保健が充実することで、個々人の能力が最大限発揮できるようになり、ひいては社会全体の福祉に繋がると述べ、本案件が我が国の推進する「人間の安全保障」に適っていると指摘しました。
(案件概要)
マニラ首都圏モンテンルパ市に所在する熱帯医学研究所は、「予防接種拡大普及計画」を推進しています。同普及計画を実施する中で、老朽化したワクチン冷凍保存設備を新調する必要性が高まりました。
本案件では、主にポリオワクチン保管のための大型冷凍庫を整備して、同普及計画を支援します。本件実施により、フィリピンのワクチン貯蔵能力が強化され、フィリピン全土の250万人の乳幼児が被益します。このような取り組みは、フィリピンのみならず、ポリオ根絶を目指す全世界の国際保健にも貢献するものです。
草の根・人間の安全保障無償資金協力は「人間の安全保障」の確保に資するものであり、フィリピンでは1989年から現在に至るまでの間に、計488件の事業を実施してきています。こうした草の根レベルの支援についても我が国は従来より積極的に取り組んできており、本件事業は我が国とフィリピンとの戦略的パートナーシップを育むことにも寄与するものです。
( 了 )