この度、日本政府は、無償資金協力(貧困農民支援)の見返り資金事業として農業省による「AKBAY(農業:フィリピンの進歩のためのパートナー)プログラムフェーズ2(台風ヨランダ被災地向け)」の実施を承認しました。
本件事業は、台風ヨランダにより被災した農家及び漁家の収入創出のために、緊急的に生計確立のための支援を行うもので、現在実施中のフィリピン政府及び地方自治体の復興プログラムを補完するものです。具体的には、リージョンVIII(東ビザヤ地域)で最も被害が深刻な4州において、漁船や漁具、短期間で収穫できる農産物の種子・種苗、肥料などの資機材を1世帯当たり15,000ペソ相当を上限として無償提供するものであり、1億3997万9,500ペソ(約3億2千万円)の資金協力を用いて実施されるものです。この資金は、日本政府による無償資金協力(貧困農民支援)によって調達した肥料を、フィリピン政府が市中へ売却することによって得た「見返り資金」から拠出されています。
我が国のフィリピン政府に対する貧困農民支援は、1977年から31回実施されており、フィリピン政府が肥料の市中への売却によって得た見返り資金は、付加価値の高い農作物を栽培導入するにあたっての資金提供や、農作物貯蔵施設、小規模かんがい施設の改修など小規模農家への支援や貧困削減を促進する事業に使用することが可能となっています。
今回の事業により、事業実施地域において、台風ヨランダにより被災した農家・漁家の世帯の生計向上が図られるとともに、当該地域の農漁業の復旧・復興が図られることが期待されます。