卜部敏直駐フィリピン大使は、ミンダナオ紛争地域における社会開発プロジェクト8件の贈与契約に、2014年3月20日午前10時より、マニラのアストリア・プラザ・ホテルにて署名します。これらのプロジェクトは、J-BIRD(ミンダナオの平和と安定に資する日本の支援の総称) として、在フィリピン日本国大使館の実施する「草の根・人間の安全保障無償資金協力」(GGP)により資金が贈与されるものです。
署名式には、モンタルボOPAPP(和平プロセス担当大統領顧問事務所)次官、ヤコブBDA(バンサモロ開発庁)事務局長、ヤコブIMT(国際監視団)団長等が出席する予定です。
今回署名が行われる8案件の総額は855,325米ドル(約3,800万ペソ)であり、これらはミンダナオの和平と開発に対する我が国のコミットメントの一環です。
今回署名する以下の8件の事業を通じて、学校教室18室、農業訓練センター1件、青少年や女性を主なターゲットとした能力開発と職業訓練のためのセンター4件を建設し、それぞれの施設に関連機材を整備します。
「ブキドノン州マノロ・フォテッチ町における先住民族のための農業技術訓練施設整備計画」
「マギンダナオ州パガルンガン町におけるサパカン小学校教室整備計画」
「ダバオ・オリエンタル州ルポン町における女性訓練施設整備計画」
「マギンダナオ州スルタン・マストゥラ町スロン中等学校における教室整備計画」
「サランガニ州マラパタン町における女性能力開発訓練施設整備計画」
「マギンダナオ州スルタン・クダラット町における青少年訓練センター整備計画」
「北コタバト州ピキット町におけるラムアック小学校校舎整備計画」
「ダバオ・オリエンタル州マティ市における能力開発訓練施設整備計画」
これらの事業は、我が国によるミンダナオの和平と復興に資する支援(J-BIRD)の一環です。2006年のJ-BIRD立ち上げ以来、J-BIRD 案件として実施を決定した草の根・人間の安全保障無償資金協力は75件にのぼり、2014年3月現在、その総額は約680万米ドル(約3億ペソ)となっています。我が国は、草の根・人間の安全保障無償資金協力のほか、2006年10月から国際監視団(IMT)へ開発専門家を派遣し、また2009年10月から国際コンタクト・グループ(ICG)のメンバーとしてミンダナオ和平交渉に関与する等、ミンダナオの和平と開発に取り組んできています。