3月20日、卜部敏直駐フィリピン大使は、マニラ首都圏において、被供与団体である「コミュニティ友好組合」のメホス代表との間で、標記案件に係る贈与契約に署名しました。
資金供与額は、93,923米ドル(7,701,686円)です。
(案件概要)
ブキドノン州マノロ・フォテッチ町の高地には、タラアンディン族と呼ばれる先住民族約1万人が生活しています。近年は、自給自足に近い生活を営んできた同先住民から土地を手放す者が出てきました。その結果、大規模農園や道路工事作業などで不定期な日雇い労働に従事することとなり、貧しさから反政府ゲリラに参加することを選ぶ者もでてくるなど、社会的な問題を引き起こしつつあります。
同被供与団体を通して、同町における先住民族の生計向上のために、持続可能な農業技術を指導する為の訓練施設を整備することにより、1年間におよそ150世帯の代表が農業及び食品加工技術の訓練を受けることにより、現金収入が向上することが見込まれます。これにより世帯全体(約750名)が被益し、子弟への教育アクセスの機会も増すことにより、貧困からの脱却も期待できます。このことは、コミュニティの安定と、民族としての尊厳の回復及び能力開発にも資すると考えられます。
本件事業は、我が国によるミンダナオの和平と復興に資する支援(J-BIRD)の一環です。2006年のJ-BIRD立ち上げ以来、 J-BIRD 案件として実施を決定した草の根・人間の安全保障無償資金協力は75件にのぼり、その総額は約680万米ドル(約3億ペソ)となっています。