平成26年4月3日(木)、卜部敏直駐フィリピン日本国大使は、日本のNGO「ザ・ボランティア’95」のサンボアンガ市郊外での幼稚園教育推進及び様々なコミュニティ・プロジェクトを通じた日本とフィリピンの友好関係増進への貢献を顕彰し、大使公邸において在外公館長表彰を行いました。
1995年3月に設立されたザ・ボランティア’95は、当初同年に発生した阪神淡路大震災の被災者を支援するために組織されました。5年後の2000年に活動内容を「アジアの子供に教育の機会を与えるボランティア」と改め、ミンダナオ島サンボアンガのサルム村で幼稚園を建てるプロジェクトや農業指導を開始、子供達に基礎知識を身に付けさせるため英語、算数、フィリピン語の教育を提供してきました。サルム幼稚園の設立により村の子供達の小学校入学率は著しく上昇し、卒園児の内これまでに58人が高校に進学し、15人が大学に入学しました。また、同NGOは現在までに53人の子供達に奨学金を支給しました。
ザ・ボランティア’95は、道路や灌漑システムのようなインフラ整備の他、肥料、種、苗木購入のために村の農民に資金援助も実施しています。これらの支援は、日本人農業専門家の協力とも相俟って農産品の収穫高増加に多大な貢献をしています。こうした取り組みは、村内のキリスト教コミュニティとイスラム教コミュニティに調和をもたらし、両コミュニティがより一体となって協力するようになりました。
授与式にて、卜部大使はザ・ボランティア’95がサラム村の人々のみならず、日本とフィリピン両国民の友好と協力のために更に貢献されることに期待を寄せました。
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