11月5-6日、ダバオにてフィリピン開発フォーラムがフィリピン政府の主催により開催されました。ミンダナオ・バンサモロ地域の開発をテーマとする今次会合では、今般、国際協力機構(JICA)も支援して策定されたバンサモロ開発計画が発表されると共に、日本政府を含む開発パートナーとミンダナオ・バンサモロ地域における開発課題について議論されました。フィリピン政府からアキノ大統領、プリシマ財務大臣、デレス和平プロセス大統領顧問、アバド予算管理大臣ほかが、モロ・イスラム解放戦線(MILF)からムラド議長、ジャーファール第一副議長、イクバル移行委員会委員長ほかが出席しました。日本政府からは天野哲郎臨時代理大使が出席し、安倍内閣総理大臣からアキノ大統領にあてた祝辞を代読しました。
バンサモロ開発計画は、バンサモロ地域における短期・中期の社会経済的復興・開発計画であり、7つの重点分野(①経済・生計、②インフラ、③社会サービス(教育等)、⑤環境・天然資源、⑤文化・アイデンティティ、⑥ガバナンス、⑦治安・正常化)において、プロジェクトの実施を予定するものです。同計画の施行に要する費用は約2,256億ペソであり、フィリピン政府が一部負担するものの、約1,127億ペソの資金が不足するとされています。
日本政府はミンダナオの和平と開発に積極的に取り組んでいます。我が国は、草の根・人間の安全保障無償資金協力のほか、2006年10月から国際監視団(IMT)へ開発専門家を派遣し、また2009年10月から国際コンタクト・グループ(ICG)のメンバーとしてミンダナオ和平交渉に関与しています。2006年のJ-BIRD立ち上げ以来の合計支援額は、約151億円にのぼります。
(参考)
フィリピン開発フォーラムとは
フィリピン政府と世界銀行が年に一回程度開催。世界銀行・アジア開発銀行(ADB)等の国際機関や、日本、米国、豪州を始めとする二国間のドナー間の連携を図るとともに、重要性の高い政策課題についてフィリピン政府の関与を得ながら経済協力を推進していくためのフォーラム。政官界のみならず、経済界、学会、NGO、市民社会等から幅広い参加を得て議論が行われている。
(別添1)2014フィリピン開発フォーラムにおける内閣総理大臣祝辞
(別添2)J-BIRD事業概要
JICA-ミンダナオ紛争影響地域の本格的な復興・開発を国際社会が支援―「フィリピン開発フォーラム」
http://www.jica.go.jp/information/seminar/2014/20141128_02.html
http://www.jica.go.jp/
( 了 )