11月23日、石川和秀駐フィリピン大使は、ケソン市にあるフィリピン消防局本部において、「台風ヨランダ被災地向け緊急車両整備計画」の引渡式に出席しました。本件事業は日本政府の草の根・人間の安全保障無償資金協力によるもので、フィリピン消防局は本件事業の被供与団体です。引渡は、石川大使からアリエル・バラユガ消防局長に対してなされ、この場には日比友好議員連盟会長である小坂憲次参議院議員と、比日議連会長であるフランクリン・ドリロン上院議長が立ち会いました。また、この式典には約550人の消防局職員が参加しました。
本件は、本年5月5日、マニラ市内で日比友好議員連盟と比日議連の会合が開催された際、日比友好議員連盟小坂会長から比日議連ドリロン会長(上院議長)に対して発表され、台風ヨランダの被災地の中でも特に大きな被害のあったビサヤ諸島中央部に緊急車両20台(消防車17台、救急車3台)を日本消防協会より寄贈するものです。また本件は、車両自体のみならず、日本政府より202,760米ドル(約1960万円)を資金供与限度額として消防局へ供与し、この資金は日本からフィリピンへの輸送費や車両整備費等に使われる予定です。
小坂議員はスピーチの中で、今回の車両は台風ヨランダの被災地に寄贈することとしたもので、「フィリピンの地域防災、都市防災のため、必ずお役に立つものであることをお約束いたします。今後とも日フィリピン両国民の安全のために両国が互いに手を取り合うことができるよう、そして、アジアの国々と共に発展していくことができるよう、日フィリピン友好議員連盟並びに日本国民の代表として、協力させていただく所存です」と述べられました。
石川大使はスピーチの中で、台風ヨランダの被災者に対して改めて哀悼の意を表すると共に、今回の車両が被災地の緊急活動等で役立つことに期待を寄せました。また、来年3月に仙台において第3回国連防災会議が行われることを紹介し、日比両国が防災分野で協力できるように期待したいと述べました。
バラユガ消防局長は、「フィリピン政府及び内務自治省を代表し、石川大使及び小坂議員を通じて日本政府に対して深く感謝を申し上げると共に、今回のODA案件は、消防局の現状を鑑みると、大きなチャンスである」とのロハス内務自治大臣のメッセージを代読しました。
草の根・人間の安全保障無償資金協力は「人間の安全保障」の確保に資するものであり、フィリピンでは1989年から現在に至るまでの間に、計499件の事業を実施してきています。こうした草の根レベルの支援についても我が国は従来より積極的に取り組んできており、本件事業は我が国とフィリピンとの戦略的パートナーシップを育むことにも寄与するものです。
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