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平成27年03月18日

 

草の根・人間の安全保障無償資金協力
「カガヤン州バガオ町炭製造施設整備計画」
贈与契約署名式


 

 

 

3月17日、石川和秀駐フィリピン大使は、日本大使館において、被供与団体であるセント・ポール大学との間で、標記案件に係る贈与契約に署名しました。 資金供与額は、70,718米ドル(約860万円) です。 

 

(案件概要)

 

  ルソン島北部に位置するカガヤン州バガオ町の農民は貧困層であり、森林を伐採し木炭を製造することで生計を立てています。事実、木炭の生産は、この地域の人々の収入源となっています。しかしながら、木炭製造のための違法伐採の横行により、カガヤン州の環境が大規模に破壊されていることが課題となっていました。

 

本案件では、大量廃棄物となっていたトウモロコシの芯を原料とする炭製造に必要な施設の建設と機械・設備及び炭を近隣に運ぶためのトラックを供与します。また、この地域の女性、貧困農民及び若い農民を対象に新たな炭の製造・販売に関する技能訓練セミナーを実施することで、彼らの貧困からの脱却を支援します。このような生活環境の向上により、この地域の環境保全が期待され、およそ5,750名の農民とその家族が裨益します。

 

 実施団体であるセント・ポール大学は、草の根レベルで地域開発や環境保全に取り組む教育機関です。その活動として、地域の人々に対しては生計向上や農業技術向上のための職能訓練セミナーを実施してきました。また、環境保全を目的として植林活動も実施しています。

 

草の根・人間安全保障無償資金協力は「人間の安全保障」の確保に資するものであり、フィリピンでは1989年から現在に至るまでの間に、計502件の事業を実施してきています。こうした草の根レベルの支援についても我が国は従来より積極的に取り組んでおり、本件事業は我が国とフィリピンとの戦略的パートナーシップを育むことにも寄与するものです。