6月9日、当館榎書記官は、ヌエバ・ビスカヤ州ケソン町において、草の根・人間の安全保障無償資金協力事業として実施された「女性訓練センター建設計画」の引渡式に出席しました。
引渡式典には、被供与団体であるアルダースゲイト大学のソリアノ会長ほか同大学関係者を始めとして、ガリマ・ヌエバ・ビスカヤ州副知事、サルナット・ケソン町長などの関係団体代表者が出席しました。
本件事業は、女性訓練施設及び訓練機材を整備するものであり、2012年度に日本大使館により104,230米ドル(約1,300万円)が供与されました。この訓練施設の整備によって、地域の女性たちはトマトなどの有機栽培の技術のみならず、収穫した農産物を用いた食品加工技術や販売活動のノウハウなどを習得し、貧困に喘ぐ地域住民の生計が向上されます。また、雇用機会の乏しい女性たちの社会経済的立場の改善が期待されます。当事業による裨益効果は、ケソン町の住民およそ1,600名に及ぶと見込んでいます。
草の根・人間安全保障無償資金協力は「人間の安全保障」の確保に資するものであり、フィリピンでは1989年から現在に至るまでの間に、計512件の事業を実施してきています。こうした草の根レベルの支援についても我が国は従来より積極的に取り組んでおり、本件事業は我が国とフィリピンとの戦略的パートナーシップを育むことにも寄与するものです。
(了)