1 8月25日,フィリピン外務省において,日本側石川和秀大使とフィリピン側アルバート・デル・ロサリオ外務大臣(H.E. Albert F. Del Rosario, Secretary of Foreign Affairs)との間で,総額336億8900万円を供与限度額とする円借款2件に関する書簡の交換が行われました。また,同日,日本側田中JICA理事長とフィリピン側プリシマ財務大臣との間で,上記円借款2件に係る借款契約の締結が行われました。上記の署名者の他、式典にはシンソン公共事業道路大臣が出席しました。なお,上記円借款2件は,平成27年6月にアキノ大統領が国賓として訪日した際の日・フィリピン首脳会談において安倍総理大臣からアキノ大統領に対して供与を表明したものです。
2 対象案件の概要,期待される効果等は以下のとおりです。
(1) マニラ首都圏主要橋梁耐震補強計画(供与限度額:97億8,300万円)
この計画は,マニラ首都圏の幹線道路上の2橋梁(ガダルペ橋及びランビンガン橋)の耐震性向上のための架替及び補強を実施することにより,交通・運輸ネットワークの強靱性及び輸送機能の強化,並びに災害発生時の都市機能維持能力強化を図り,持続的経済成長及び脆弱性の克服と生活・生産基盤の安定に寄与するものです。
(2) ダバオ市バイパス建設計画(南・中央区間)(供与限度額:239億600万円)
この計画は,ダバオ市南端部と同市中心部を結ぶバイパス道路の建設及び既存道路の舗装改良を実施することにより,同市を核とするミンダナオ島最大級の経済圏内の物流改善とダバオ市内の交通渋滞の改善を図り,持続的経済成長及びミンダナオにおける平和と開発に寄与するものです。
3 供与条件
事業名 |
金利 |
償還(据置)期間 |
調達条件 |
(1) マニラ首都圏主要橋梁耐震補強計画 |
0.1% |
40(10)年 |
日本タイド |
(2) ダバオ市バイパス建設計画(南・中央区間) |
0.1% |
40(10)年 |
日本タイド |
4 上記2(1)は,経済発展を支えるインフラ整備という観点から,2(2)は,災害多発国であるフィリピンの脆弱性を克服し生活基盤の安定を図るという観点から,それぞれフィリピン政府が「フィリピン開発計画 2011-2016」において掲げる「包摂的成長」に向けたフィリピン政府の努力を支援するものです。
これらの事業は,我が国とフィリピンとの友好協力関係を更に増進し,また両国間の戦略的パートナーシップを更に強化することにも資するものです。
(参考)
・JICAフィリピン事務所
http://www.jica.go.jp/philippine/office/index.html
(了)