9月3日、東サマール州ギウアン町において、フィリピン共和国に対する無償資金協力「台風ヨランダ災害復旧・復興計画」で実施する事業のうち、ギウアン水産開発センターへの機材供与に関する引渡式が行われました。引渡式には、当館寺田書記官及び大谷書記官が出席しました。先方からは、カブラオ・ギウアン副町長が出席し、深い感謝の意が述べられました。
今回の引渡式では、被災地域の早期生計復興・向上を目的として、台風により甚大な被害を受けたギウアン水産開発センターに対し試験機材等を供与しました。ギウアン水産開発センターでは、アワビ・シャコ等水産資源の稚魚開発を行っており、比国内でも先端的な開発を可能とする本件機材の供与により、被災地域を中心として、比国水産業全体の生産性向上が期待されます。本事業は、フィリピンで2013年11月に発生した台風30号(フィリピン名:ヨランダ)の被災地域において、災害に強い社会の形成に向け実施するもので、本件の他、医療施設、小学校、地方政府庁舎等の社会インフラや空港、電力等の経済インフラ、気象レーダー等の防災インフラの早期復旧・復興等を支援するものです。これにより、フィリピン政府が進めている災害に強い社会の形成に貢献するとともに、フィリピンの持続的経済成長及び我が国との緊密な経済関係が維持・促進されることが期待されます。
本年3月に仙台で行われた第3回国連防災世界会議において、安倍総理より「仙台防災協力イニシアティブ」が発表されました。このイニシアティブでは、
- 人材育成や制度の整備などのソフト面での支援
- 質の高いインフラ整備を中心とするハード面での支援
- グローバルな協力と広域協力の推進
の3つのアプローチを効果的に組み合わせた、日本ならではの防災協力を実施する予定です。そのため、今後4年間で、計40億ドルの協力を実施すると共に、各国の防災を牽引し、災害後の「より良い復興」を担う、各国の行政官や地方リーダーなどの人材を、系4万人育成する予定です。
防災及び災害対策の分野における協力は、共に自然災害多発国である日比両国間の協力の主要な柱の一つであり、本事業の実施は、両国間の戦略的パートナーシップの一層の発展に寄与するものです。最近のフィリピン国内において増大している自然災害による被災状況を踏まえ、日本政府としては、今後とも必要な支援を行っていく方針です。
[関連リンク]
・外務省HP フィリピン中部における台風被害
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/page24_000158.html
・ODA見える化サイト 台風ヨランダ災害復旧・復興計画
http://www.jica.go.jp/oda/project/1361140/index.html
(了)