9月25日、東サマール州ギウアン町において、フィリピン共和国における無償資金協力(貧困農民支援)の見返り資金事業として実施されている「AKABAY(フィリピン発展のためのパートナー(農業部門))プログラムフェーズ2(台風ヨランダ被災地向け)」のうち、船、船のエンジン、野菜の種子、肥料、農機具等の引渡式が行われました。引渡式には、当館寺田書記官及び田中JICAフィリピン事務所次長のほか、シソン・ギアン町農業委員長、カヤナン農漁業委員会部長の他約500人の被災者が集まり、深い感謝の意が述べられました。
本件事業は、台風ヨランダにより被災した農家及び漁家を対象に、緊急的に生計確立のための支援を行うもので、現在実施中のフィリピン政府及び地方自治体の復興プログラムを補完するものです。具体的には、リージョンⅧ(東ビザヤ地域)で最も被害が深刻な4州において、漁船や漁具、野菜の種子・種苗、肥料、農機具等の資機材を、1世帯当たり15,000ペソ相当を上限として無償提供するもので、1億3997万9,500ペソ(約3億6千4百万円)の資金協力にて実施されます。この資金は、日本政府による無償資金協力(貧困農民支援)によって調達した肥料を、フィリピン政府が市中へ売却することによって得た「見返り資金」から拠出されています。
今回の引渡し式を行ったギウアン町は、台風ヨランダが初上陸した地点であり、甚大な被害があった。今回の資材引渡により、台風ヨランダにより被災した1,020世帯の漁業者及び農業者の生計向上が図れるとともに、当該地域の農漁業の復旧・復興が図られることが期待されます。
[関連リンク]
・外務省HP フィリピン中部における台風被害
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/page24_000158.html
・ODA見える化サイト 台風ヨランダ災害緊急復旧復興支援プロジェクト
http://www.jica.go.jp/oda/project/1303201/index.html
(了)