3月24日、石川和秀駐フィリピン大使は、マニラ首都圏のホテルにおいて、被供与団体であるイスラム多目的協同組合の組合長(Mr. Moriel K. Mangudadatu) との間で、標記案件に係る贈与契約に署名しました。 資金供与額は、93,738米ドル(約1,000万円) です。
(案件概要)
本案件では、バグンバヤン町の農家の生産性の改善及び生計の向上を図り、収穫物の乾燥施設の建設に併せてトウモロコシ脱穀機2機、耕耘用アタッチメント2台、代掻き用アタッチメント3台、米の脱穀機3台、及びトラクター1台を供与します。このような営農環境の改善により、およそ1520名の米・トウモロコシ農家が裨益します。
ミンダナオ島中西部のスルタン・クダラット州に位置するバグンバヤン町は11の町で構成されており、NSOの2010年の統計によれば人口は63,700人、町面積は67,295ヘクタールです。町の主要産業は農業で、主要作物は米とトウモロコシです。2013年には、2,004ヘクタールで9,019トンの米が生産され、1,416ヘクタールで7,080トンのトウモロコシが生産されました。農家の収益は少なく、月換算で米農家の収入は9,608ペソ、トウモロコシ農家は5,875ペソであり、収穫後の処理機械の借用費が農家にとって大きな負担となっています。
(被供与団体概要)
イスラム多目的共同組合は、2009年に設立され、組合員は主に米農家とトウモロコシ農家です。同組合は、バグンバヤン町の農家が家畜及び農作物生産によって生計が立てられるよう、農業省と連携し様々な支援を実施してきました。2013年には、農業省の資金援助で天日乾燥施設が建設されました。
(草の根・人間安全保障無償資金協力)
草の根・人間安全保障無償資金協力は「人間の安全保障」の確保に資するものであり、フィリピンでは1989年から現在に至るまでの間に、計510件の事業を実施してきています。こうした草の根レベルの支援についても我が国は従来より積極的に取り組んでおり、本件事業は我が国とフィリピンとの戦略的パートナーシップを育むことにも寄与するものです。