3月24日、石川和秀駐フィリピン大使は、マニラ首都圏のホテルにおいて、被供与団体である南コタバト州政府の州知事(Ms. Daisy P. Avance-Fuentes) との間で、標記案件に係る贈与契約に署名しました。 資金供与額は、97,334米ドル(約1,000万円) です。
(案件概要)
本案件では、ドゥマダリッグ初等・中等学校において、3校舎6教室の建設に併せて机・イス等の備品を整備します。このような学習環境の改善を通じて、およそ750名の生徒及び教員が裨益します。
南コタバト州の北端に位置するタンタガン町のドゥマダリッグ初等・中等学校は、716名の生徒が在籍しています。比教育省では、1教室あたりの生徒数は45名を基準としていますが、同学校では1教室あたり57名の生徒が在籍し過密状態にあります。そのため、1教室内で2クラスの授業を実施し、荒廃した仮設教室を利用することで生徒の増加に対応しており、学習環境の悪化が危惧されていました。
(被供与団体概要)
南コタバト州は、ミンダナオ島南部に位置し、NSOの統計によれば人口はおよそ82万7千人、州面積は3,706sq.mであり11の町から構成されています。同州の文化的シンボルは伝統工芸のティナラック織物です。教育分野においては、公立小学校が57校、公立中学校が87校あり、2013年度の小学生は11,072人、中学生は49,428名です。
(草の根・人間安全保障無償資金協力)
草の根・人間安全保障無償資金協力は「人間の安全保障」の確保に資するものであり、フィリピンでは1989年から現在に至るまでの間に、計509件の事業を実施してきています。こうした草の根レベルの支援についても我が国は従来より積極的に取り組んでおり、本件事業は我が国とフィリピンとの戦略的パートナーシップを育むことにも寄与するものです。