
小学校校舎引渡式 |

引き渡された小学校校舎 |
3月11日、ミンダナオ島北コタバト州キダパワン市において、草の根・人間の安全保障無償資金協力事業として実施された「パタドン小学校教室整備計画」の引渡式が開催され、当館より榎書記官が出席しました。同式典には、エバンゲリスタ・キダパワン市長を始めとして、マカサヨン・教育省キダパワン地域担当教育長、マグリング・パタドン小学校校長などの関係者が出席しました。
北コタバト州キダパワン市に位置するパタドン小学校は、近隣のマギンダナオ州やコタバト州における武力衝突の影響を受けた難民を受け入れたことに伴って生徒数が倍増しており、教室の整備が喫急の課題となっていました。
本件事業では、J-BIRD(注)の一環として、2014年度に当館より92,785米ドル(約1,000万円)が供与され、同校において適切な学習環境を確保することを目的として、2校舎4教室が整備されました。
本件事業を通じて、学習環境・労務環境が改善し、適切な学習環境が確保されることで、同校の生徒591名及び教員18名が裨益します。
なお、草の根・人間安全保障無償資金協力は「人間の安全保障」の確保に資するものであり、フィリピンでは、1989年から現在に至るまでの間に、計513件の事業を実施いたしました。
(注)我が国は、2006年よりミンダナオ和平支援案件をJ-BIRD (Japan-Bangsamoro Initiative for Reconstruction and Development)と総称し、元紛争地域に対する草の根・人間の安全保障無償資金協力など経済協力プロジェクトを集中的に実施しており、その総額はこれまで150億円以上になります。2015年6月には、アキノ大統領の国賓訪日の際の日比首脳会談において、安倍総理大臣は、ミンダナオの永続的な和平について、フィリピンの取組への支持を表明するとともに、我が国は新自治政府設立を念頭にJ-BIRDⅡの支援を進める旨述べました。J-BIRDⅡとは、バンサモロ地域の経済的自立の確保に一層焦点を当ててJ-BIRDを新たなフェーズで進めるものです。
(了)