1.社会・治安情勢
セブ州は世界的に著名な観光地を擁しており,治安当局が取締りに力を入れていることから,一般的にはフィリピンの中では比較的治安が安定していると言われている。しかし、下記2.のとおり旅行者を含む邦人に対する犯罪被害が発生しており、決して安全とは言えない状況にあることから,行動する際には十分注意する必要がある。
2.一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)フィリピン国家警察から入手したセブ州の犯罪統計によれば、2014年1月~3月における犯罪発生件数は以下のとおり。
(ア)殺人151件(前期比:13.7%減)
(うちセブ都市圏(セブ,マンダウェイ,ラプラプの3市)で59件(前期比:増減なし))
(イ)傷害1,754件(前期比:24.9%減)
(同846件(前期比:21.4%減))
(ウ)強姦85件(前期比:49.1%増)
(同51件(前期比:54.5%増)
(エ)強盗959件(前期比:4.9%増)
(同620件(前期比:0.3%増))
(オ)窃盗2,529件(前期比:10.1%増)
(同1,782件(前期比:13.1%増))
(犯罪件数総数は,前期比で5.4%減,前年同期比で33.0%増)
(2)邦人被害事案
(ア)1月初旬、邦人旅行者がセブ市内JYスクエア周辺を歩行中にバイクに乗った2人組に鞄をひったくられた。
(イ)1月初旬、邦人旅行者がセブ市ラフグ地区を歩行中に突然2人組の男女に両脇から腕を組まれ、ポケットに入れていた旅券をすられた。
(ウ)2月初旬、セブ市内のショッピングモールから徒歩で帰宅中に邦人留学生が複数の子供に囲まれ、鞄の中に入っていた財布を盗まれた。
(エ)2月中旬及び下旬、邦人旅行者がセブ市内マンゴースクエアの路上でいきなり5名の子供に囲まれ、ウエストポーチに入っていた現金、携帯電話等を盗まれた。
(オ)2月中旬、セブ市内の高級コンドミニアムに居住する邦人宅に何者かが侵入し、現金、時計、携帯電話等が盗まれる被害が発生した。
(カ)3月初旬、邦人旅行者がセブ市マンゴアベニュー通りを歩行中に現金、PC等の入った鞄をひったくられた。
(キ)3月中旬、邦人旅行者がセブ州ラプラプ市のホテルでキャッシュ・カードの盗難被害に遭い、数十万円の現金を引き出される被害が発生した。
(ク)上記以外に,邦人がセブ市内のショッピングモール(アヤラ・センター、SMシティセブ)でフィリピン人に声をかけられ、後日、同人宅に誘われトランプ詐欺の被害に遭うケースが複数件発生しており、中には約50万円以上の被害を被った事案も発生している。
(ケ)また、1月~3月までの間に、セブ市内、マンダウエ市内のショッピングセンター、レストランや観光地で日本人を狙ったスリ被害が多数発生している。
(3)邦人以外の被害
(ア)1月初旬、セブ州ラプラプ市パハック地区の路上でフィリピン人男性がヘルメットで顔を隠した3人組に銃撃され死亡した。
(イ)1月中旬、セブ市キナサンアン地区で交差点に停車中の車に2人組の男が突然発砲し、乗車していたフィリピン人男性が死亡した。
(ウ)2月中旬、セブ市ラフグ地区でフィリピン人男性が未成年者を誘拐、ホテルに監禁し、その後売春等を強要していたとして逮捕された。
(エ)3月中旬、セブ州ナガ市でフィリピン人男性が自宅前で農作業をしていたところ、バイクに乗った2人組に突然銃撃され死亡した。また、近くにいた隣人も流れ弾を受け死亡した。
(オ)3月下旬、セブ州ラプラプ市で外国人留学生宅の浴室窓を破壊し、何者が室内に侵入し、現金、PC等が盗まれた。
3.テロ・爆弾事件発生状況
事件の発生は報告されていない。
4.誘拐・脅迫事件発生状況
日本人の被害は報告されていない。
5.日本企業の安全に関する諸問題
特段の問題は報告されていない。
(了)