1.社会・治安情勢
セブ州は世界的に著名な観光地を擁しており,治安当局が取締りに力を入れていることから,一般的にはフィリ
ピンの中では比較的治安が安定していると言われている。しかし、下記2.のとおり旅行者を含む邦人に対する犯罪
被害が発生しており、決して安全とは言えない状況にあることから,行動する際には十分注意する必要がある。
2.一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)フィリピン国家警察から入手したセブ州の犯罪統計によれば、2014年7月~9月における犯罪発生
件数は以下のとおり。
(ア)殺人306件(前期比:145%増)
(うちセブ都市圏(セブ,マンダウェイ,ラプラプの3市)で198件(前期比:23.8%増))
(イ)傷害1,777件(前期比:9.4%減)
(同799件(前期比:10.4%増))
(ウ)強姦108件(前期比:11%増)
(同46件(前期比:1.0%増)
(エ)強盗857件(前期比:10.5%増)
(同446件(前期比:9.0%減))
(オ)窃盗2,258件(前期比:9.1%減)
(同1,496件(前期比:9.4%減))
(犯罪件数総数は,前期比で1.0%増,前年同期比で11.5%増)
(2)邦人被害事案
(ア)7月上旬、セブ市エルミタ地区において歩行中の邦人男性が背後から近づいて来た三人組に鋭利な凶器
により、脅かされ電子機器、携帯等が入ったディバックを奪われる被害に遭った。
(イ)7月中旬、セブ市内のロビンソン・ショッピングモールにて買い物をした邦人男性が支払の際、カウンター
の脇に置いた鞄が盗難に遭った。
(ウ)8月中旬、邦人旅行者がセブ市内のレストランで食事中、脇に置いてあったサイドポーチを置き引きされた。
(エ)8月下旬、セブ市のアヤラ・ショッピングセンターで短期留学生がフィリピン人に声をかけられ、同人宅に
誘われトランプ詐欺の被害に逢った。
(同様の手口を使ったトランプ詐欺の事案は4月~6月までの間に4件発生している。)
(オ)9月上旬、ラプラプ市内走行中のジプニー内において邦人男性が比人女性に預けておいた携帯電話が盗難
されたところ、後日携帯電話に保存してあった卑猥な写真、動画がEmailに添付され、当該邦人男性のパソコン
に着信するようになった。数回の着信に併せ多額の金銭を要求される恐喝事件が発生した。
(当該邦人は身に危険を及ぼすことを考え、既に帰国している)
(カ)9月中旬、セブ市内巡行中のジプニーに乗車中の在留邦人がディバックのチャックの隙間からカード、現金
を抜き取られるスリ被害に逢った。
(3)邦人以外の被害
(ア)7月上旬、セブ州ミングネリア町でフィリピン人男性2人が飲酒していたところ、途中で口論となり内1人
が所持していたナイフで相手のフィリピン人が胸部を刺され死亡した。
(イ)7月上旬、セブ市カルビハン地区において、ホテル宿泊中の男女(デンマーク人男性及びフィリピン人女性)
が、深夜に口論となり女性が男性をナイフで刺殺する事件が発生。
(ウ)8月上旬、セブ市グアダロペ地区の路上において歩行していたフィリピン人男性がバイクに乗った2人組に
銃撃され、死亡した。
(エ)9月上旬、セブ州アルコイ町において、市場で従事するフィリピン人男性2人が場内で発生した発砲事件に
巻き込まれ、2人共に死亡した事件が発生。
(オ)9月上旬、セブ州サンブアン町で深夜、現場作業員が一般住宅に侵入し就寝中の主婦が強姦された事件が
発生した。
(カ)9月中旬、セブ州リルアン町で若者グループが海に行った帰路、バイクに乗せた少女をナイフで脅かし強姦
する事件が発生。
(キ)9月下旬、セブ市グアダロペ地区において父親が娘を学校に送っていくため自宅を出たところ、自宅付近で
待ち伏せていた2人組に銃撃され父親が重傷を追う事件が発生。
上記以外に,7月上旬から8月下旬においてガソリンスタンド、一般商店において閉店間際に客を装った2人組
が従業員に拳銃を突きつけ、売上金を強奪する事件が3件発生している。
3.テロ・爆弾事件発生状況
事件の発生は報告されていない。
4.誘拐・脅迫事件発生状況
事件の発生は報告されていない。
5.日本企業の安全に関する諸問題
特段の問題は報告されていない。
(了)