1 社会・治安情勢
セブ州は世界的に著名な観光地を擁しており,治安当局が取締りに力を入れていることから,一般的にはフィリピンの中では比較的治安が安定していると言われている。しかし、下記2.のとおり在留邦人及び邦人旅行者に対する犯罪被害が発生しており、決して安全とは言えない。
本期中において、犯罪発生率は多少の減少は見られるが、決して安全とは言えないので行動する際には十分注意する必要がある
2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)フィリピン国家警察から入手したセブ州の犯罪統計によれば、2014年10月~12月における犯罪発生件数は以下のとおり。
(ア)殺人 201件(前期比:35%減)
(うちセブ都市圏(セブ,マンダウェイ,ラプラプの3市)で69件(前期比:
65%減))
(イ)傷害 1,802件(前期比:1%増)
(うちセブ都市圏の3市で718件(前期比:11%減))
(ウ)強姦 99件(前期比:9%減)
(うちセブ都市圏の3市で42件(前期比:9%減))
(エ)強盗 836件(前期比:3%減)
(うちセブ都市圏の3市で403件(前期比:10%減))
(オ)窃盗 2,013件(前期比:11%減)
(うちセブ都市圏の3市で1,303件(前期比:13%減))
(2014年10月~12月における犯罪件数総数は10,540件で前期比で3%減,前年同期比で3%の減少)
(2)邦人被害事案
(ア)10月上旬、午後11時頃セブ市ITパークより在留邦人男女がタクシーに乗車したところ、タクシーは閑静な住宅地で突然停車。邦人男性らはタクシー運転手から靴紐で手を縛られた上、ナイフと模造拳銃を突きつけられ金銭を要求された。異変に気づいた別のタクシー運転手が警察官に通報したため、邦人男性らは駆けつけた警察官に保護された。
(イ)10月上旬、午後9時頃セブ市バニラッド地区において在留邦人男性がタランバン地区よりバニラッド・タウンセンターへ徒歩で移動中に比人の子供数人に囲まれた際、スマートフォンを窃取された。
(ウ)10月中旬、セブ州ダアンバンタヤン町にて韓国人女性と共に旅行に来ていた邦人男性が部屋の鍵を閉め忘れ、室内に置いてあった現金、時計などの貴金属が盗まれる被害が発生。
(エ)10月下旬、ラプラプ市において留学のためホテルに滞在していた邦人女性が、就寝中に何者かが部屋に忍び込み部屋に置いてあった財布が盗まれた。
(オ)10月下旬、ラプラプ市内を散策していた在留邦人女性が前から歩いて来た比人男性に鞄をひったくられ、携帯、現金等を奪われる事件が発生。
(カ)11月上旬、ラプラプ市内に在住の在留邦人男性がジプニーにて移動中、同乗していた四人の比人男性に話しかけられ、鞄に入っていた携帯電話と現金を盗まれるスリ被害が発生。
(キ)12月中旬、ラプラプ市在住の在留邦人男性がリビングルームでうたた寝をしていたところ、何者かが窓から侵入。当該在留邦人は侵入者に気が付き、侵入者ともみ合ったとなったが、侵入者は部屋に置いてあった現金及び携帯電話を窃取し逃走する事件が発生。
(ク)12月下旬、セブ市マンゴスクエア地区のディスコにおいて在留邦人男性が比人と女性絡みで喧嘩となり、当該邦人男性は重傷を負った。
(3)邦人以外の被害
(ア)10月中旬、セブ市グアダルゥペ地区において、韓国人男性が金銭トラブルで比人女性に暴行し傷害罪で逮捕。
(イ)11月1日朝、セブ市ラフグ地区の川辺で英国人が遺体で発見された。当該人は前日ディスコにおいて目撃されており、死因は鋭利な刃物による刺殺。
(ウ)12月上旬、セブ州アルガオ町で比人同志が金銭トラブルにより口論となり、内1人が拳銃持ち出し口論相手を殺害。
(エ)12月中旬、セブ州カルカル市にてフィリピン人3人が麻薬を販売した売上金の分配で口論となり、1人が拳銃で2名を射殺する事件が発生。
上記以外に未成年者の強制猥褻罪で外国人3人が逮捕されている。
3 テロ・爆弾事件発生状況
事件の発生は報告されていない。
4 誘拐・脅迫事件発生状況
事件の発生は報告されていない。
5 日本企業の安全に関する諸問題
特段の問題は報告されていない。
(了)