平和と安定のためのミンダナオ支援パッケージ
平成14年12月4日
1.目的
(1) |
ミンダナオ地域の最貧困からの脱却と平和の定着に貢献するため、中長期的視野に立った持続的支援を行っていく。
|
(2) |
特に紛争により多大な影響を被り、開発が大幅に遅れているムスリム・ミンダナオ自治地域(ARMM)に重点を置く。 |
2.支援の重点分野
(1) |
政策立案・実施に対する支援(ARMM自治政府を対象)
(開発計画策定・実施、行政能力向上等。政策アドバイザー派遣、研修事業、日本研修事業の帰国研修員を通じた支援を検討。)
|
(2) |
基礎的生活条件の改善に対する支援
(保健・医療、農業・農村開発、基礎的インフラ整備) |
(3) |
平和構築、テロ対策に直接資する支援
(テロ対策関連の人材育成、警察能力の向上等) |
3.今回表明した具体的な協力
(1) |
プロジェクト形成調査団を派遣し、具体的案件形成を行う。 |
(2) |
調査団の派遣に先行して、今般新たに以下の2件、約40億円の協力を表明。この結果、既に表明済の円借款を含め、日本がミンダナオ地域において実施する支援は、現時点において約440億円に上る。
1) |
ARMMにおけるコミュニティー開発の支援及び地域インフラの整備を目的とした「ムスリム・ミンダナオ自治地域平和開発社会基金事業」に対する有償資金協力(24.7億円)
|
2) |
ARMMを中心としたミンダナオ地域における平和構築及び社会経済開発に資するセクタープログラム無償資金協力(15億円。今回E/N署名済。)
|
|
(3) |
なお、ミンダナオ地域において既に表明済の円借款として、以下をはじめとするプロジェクトに約400億円を支出する予定。
1) |
「日比友好道路修復(ミンダナオ島区間)事業(I 及びII)」 |
2) |
「ミンダナオコンテナ埠頭建設事業」 |
3) |
「アグサン川下流域開発事業(洪水制御)」 |
|
(参考)
フィリピン・ミンダナオ地域における長きにわたる紛争は、同地域の貧困問題を深刻化させ、テロの温床を生み出している。また、そのことがフィリピンの投資先としてのイメージ低下を招くなど、フィリピン全体の経済発展にとり妨げともなっている。さらに、同地域の平和と安定は、アジア地域の安定と繁栄にとり重要な問題である。
日本は、「貧困との闘い」と「テロとの闘い」を同時に進めるアロヨ政権の政策を強く支持してきており、同政権の重要課題の一つとなっているミンダナオ地域の最貧困からの脱却と平和の定着に貢献するため、ミンダナオ地域に対する支援に積極的に取り組むもの。
|