日本と国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によるバンサモロ・ムスリム・ミンダナオ自治地域(BARMM)における出生登録の改善に向けた連携
令和6年6月11日



2024年6月11日、遠藤和也大使と国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)フィリピンのマリア・エルミナ・バルデアビラ=ガラルド代表は、バンサモロ・ムスリム・ミンダナオ自治地域(BARMM)におけるデジタル出生登録の促進を目的としたプロジェクトに関する合意に署名しました。
本式典には、BARMMの社会サービス開発省のライサ・ジャジュリー大臣、和平・和解・統合担当大統領顧問室(OPAPRU)のイシドロ・プリシマ上級次官、グスタボ・ゴンサレス国連常駐調整官、オユン・デンデブノロフ・ユニセフ・フィリピン代表のほか、UNHCR、フィリピン司法省、フィリピン外務省、フィリピン統計局(PSA)の関係者などが出席しました。
日本政府はこのイニシアティブを支援するため、8億5,800万円(約550万米ドル)を拠出する予定です。本プロジェクトは、サマ・バジャウ族、紛争によって避難を余儀なくされた子どもたち、元兵士の子どもたちのような社会から疎外されたグループを特に対象とするものです。フィリピン全体の出生登録率は96.6%であるにもかかわらず、BARMMにおける出生登録率は77%と低い水準にとどまっています。
BARMMの出生登録率を向上させるため、このプロジェクトでは約3万人に出生証明書を提供するための取組が行われる他、50の自治体において登録プロセスをデジタル化するためのIT機器が供与され、また移動出生登録キャラバンが配備されるほか、啓発活動を行い、地方自治体の登録能力と保護メカニズムが強化されます。


このプロジェクトによって、推定100万人の未登録者の92%に対してアプローチが可能となり、それによって地域の出生登録が改善される見込みです。上記の取組を通じて、今後30ヶ月で約13万人が恩恵を受ける見込みであり、将来的には約80万人が間接的に恩恵を受けることを目指します。
この取組により、多くの人の社会サービスへのアクセスが改善され、社会から疎外された人々が安全で尊厳のある生活を送ることができるようになることが目指されます。