海外安全対策情報(2016年1月~3月)在セブ領事事務所

平成28年5月30日

1. 社会・治安情勢

(1)

 
セブ州は,マニラ首都圏に次ぐフィリピン第二の大都市圏であり,テロのターゲットとして外交団施設や外国資本の施設が標的とされる可能性が排除できない。また,国際空港及び複数の港湾を有していることから,テロリストの侵入も容易であり,フィリピン国家警察等の治安機関はテロの未然防止の観点から警戒態勢を強めている。
(2)

 
また,セブ州は世界的に著名な観光地を擁しており,一般的な治安情勢は比国内では比較的安定していると言われている。しかしながら,下記のとおり在留邦人及び邦人旅行者に対する犯罪被害が発生しており,決して安全とは言えない状況にある。特に夜間の歓楽街や人通りの少ない通りの一人歩きを避ける等慎重に行動する必要がある。

2. 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向

(1) フィリピン国家警察から入手したセブ州の犯罪統計によれば,2016年1月~3月における犯罪発生件数は以下のとおり。
  (ア)
 
殺人 101 件(前期比:13.7%減)
(うちセブ都市圏(セブ,マンダウェイ,ラプラプの3市)で38件(前期比:9.5%減))
  (イ)
 
傷害 606 件 (前期比:17.4%減)
うちセブ都市圏の3市で267件(前期比:29.9%減))
  (ウ)
 
強姦 112 件 (前期比:6.7%増)
(うちセブ都市圏の3市で42件(前期比:6.7%増))
  (エ)
 
強盗 751 件 (前期比:0.4%減)
(うちセブ都市圏の3市で457件(前期比:0.0%))
  (オ)
 
窃盗 1,668 件 (前期比:0.4減)
(うちセブ都市圏の3市で1,118件(前期比:0.7%減))
  (2016年1月~3月における犯罪件数総数は10,874件,前期比で6.2%減,前年同期比では2.46%増加している)
(2) 邦人被害事案
  (ア) 1月上旬,在留邦人(女性)がセブ市内のショッピングモール内において,飲食していたところ,背もたれに掛けてあったバッグが無くなっていた。
  (イ) 1月中旬,セブ市内のショッピングモール内において,邦人(留学生)がバックのファスナーを開けられ財布,携帯電話のスリ被害にあった。
  (ウ) 1月中旬,セブ市内で邦人(男性)がシヌログ祭を鑑賞中,人混みを避けるため他の場所へ移動中にポケットに入れておいた携帯電話を盗まれた。
  (エ)
 
1月中旬,ラプラプ市内のスーパーマーケットにおいて邦人(女性)が買い物中,比人男女がカートで近づいてきて挟まれ,不審に思い移動したところ,カート内に入れてあったポーチが無くなっていた。
  (オ)
 
1月下旬,セブ市内において邦人留学生2名(共に女性)が寄宿舎よりバイクタクシーに乗車(3人乗)したところ,運転手の運転ミスにより転倒し,2名共に路上に投げ出され病院へ搬送された。
  (カ)
 
2月下旬,邦人2名(女性)がセブ市内循環のジプニーにて移動中,車内が混雑していたため直ぐに下車したが,1名は携帯電話,1名は財布のスリ被害に遭った。その他,混み合ったジプニー内で日本人を狙ったスリの被害が数件報告されている。
  (キ)
 
2月下旬,邦人(男性)がセブ空港よりラプラプ市内に所在する職場までタクシーを利用し下車したところ,タクシーが急発進し,車内にあった荷物を持ち逃げされた。
  (ク)
 
2月下旬,邦人(男性)がセブ市内のマンゴーストリートにおいてタクシーを下車したところ,数人の比人男性に取り囲まれ,近くの商店に逃げたもののショルダーバッグが開けられており、旅券,携帯電話が無くなっていた。
  (ケ)
 
上記以外に、邦人がセブ市内のショッピングモール(アヤラ・センター、SMシティセブ)でフィリピン人に声をかけられ、後日、同人宅に誘われトランプ詐欺の被害に遭うケースが1月~3月までの間に複数件発生している。中には約70万円以上の被害を被った事案も発生している。
(3) 邦人以外の被害
  (ア) 1月下旬,セブ州モアルボアルにおいてドイツ人,韓国人の2名が宿泊先のホテルで机上においてあった携帯電話,カメラ,タブレットを盗まれた。
  (イ) 2月中旬,セブ州モアルボアルにおいてバイクで旅行中のスペイン人2名が走行中に比人のバイクに停止させられ,荷物を強奪された。
  (ウ) 2月中旬,セブ市内を歩行中の中国人女性が前方より歩いて来た比人にネックレスを強奪された。
  (エ) 2月下旬,セブ市内のペンションハウスに宿泊中のドイツ人が室内において何者かにより撲殺された。現在も警察当局は捜査中。
  (オ) 3月中旬,セブ市在住の米国人が金銭トラブルから友人に殺害される事件が発生した。

3. テロ・爆弾事件発生状況

事件の発生は報告されていない。

4. 誘拐・脅迫事件発生状況

事件の発生は報告されていない。

5. 日本企業の安全に関する諸問題

当地に所在する日系企業・個人に対する恐喝,脅迫等の問題は報告されていない。