ミンダナオ和平に関する草の根・人間の安全保障無償資金協力「マギンダナオ州スルタン・マストゥラ町スロン中等学校における教室整備計画」

2016/6/21
    

    

6月20日、当館渡邉卓弘書記官は、ミンダナオ島マギンダナオ州スルタン・マストゥラ町において、草の根・人間の安全保障無償資金協力事業として実施された「スロン中等学校における教室整備計画」の引渡式に出席しました。 引渡式典には、マストゥラ町長を始めとして、マグノ・教育省地域管轄長、スラ・スロン中等学校校長、町役場関係者、同校生徒などの関係者が出席しました。
 
スロン中等学校は、1972年の紛争により校舎を焼失し、以来閉校を余儀なくされていましたが、治安の回復に伴い、近隣に中等学校のない同地域の住民及び保護者・教員を中心としたコミュニティの強い意向によって、同校は再開校することになりました。しかしながら、同校には、仮設教室と隣接小学校から間借りしている教室の計2教室しか学習スペースがなく、一部の入学希望者しか受け入れられない状況が続いていたため、更なる教室整備が喫緊の課題となっていました。
 
  本件事業は、J-BIRD(注)の一環として、スロン中等学校において、6教室(2校舎各3教室)と併せて、黒板・椅子等の教室用備品及びトイレ2棟を整備するものであり、2013年度に日本大使館よりスルタン・マストゥラ町に対して114,790米ドル(約950万円)が供与されました。この事業の実施によって、同校の生徒に対し安全で適切な学習環境が提供されるだけではなく、遠方の中等学校に通わざるを得なかった生徒を収容できるようになり、同地域の教育環境も改善されます。
 
  なお、草の根・人間安全保障無償資金協力は「人間の安全保障」の確保に資するものであり、フィリピンでは1989年から現在に至るまでの間に、計519件の事業を実施してきています。こうした草の根レベルの支援についても我が国は従来より積極的に取り組んでおり、本件事業は我が国とフィリピンとの戦略的パートナーシップを育むことにも寄与するものです。

(注)我が国は、2006年よりミンダナオ和平支援案件をJ-BIRD (Japan-Bangsamoro Initiative for Reconstruction and Development)と総称し、元紛争地域に対する草の根・人間の安全保障無償資金協力など経済協力プロジェクトを集中的に実施しており、その総額はこれまで2億ドル以上になります。2015年6月には、アキノ大統領の国賓訪日の際の日比首脳会談において、安倍総理大臣は、ミンダナオの永続的な和平について、フィリピンの取組への支持を表明するとともに、我が国は新自治政府設立を念頭にJ-BIRDIIの支援を進める旨述べました。J-BIRDIIとは、バンサモロ地域の経済的自立の確保に一層焦点を当ててJ-BIRDを新たなフェーズで進めるものです。