平成28年度草の根・人間の安全保障無償資金協力J-BIRD 案件(4件)合同贈与契約署名式
平成29年3月13日

3月10日、石川和秀駐フィリピン大使は、在フィリピン日本国大使館において、今年度の J-BIRD 草の根・人間の安全保障無償資金協力4案件について、各被供与団体との間で、贈与契約に署名しました。署名式には、タン和平プロセス担当大統領顧問室次官及び関係者が出席しました。
今回署名が行なわれた4案件の総額は355,427米ドル(約4,200万円)であり、これらはミンダナオ和平と開発に対する我が国のコミットメントの一環です。4件の内訳は、教育案件2件、保健案件1件、農業案件1件です。
《今年度の案件概要》
1.「ダバオ・デル・ノルテ州ニューコレラ町デル・ピラール小学校における教室整備計画」
・被供与団体:ニューコレラ町役場
・資金供与額:77,991米ドル(約930万円)
本件事業では、デル・ピラール小学校において、老朽化した教室の代わりに、1校舎(4教室、トイレ2ヶ所付き)の建設 備品(黒板4枚、生徒用机付き椅子161脚、教員用机・椅子4セット)、貯水タンクを整備します。同校に通うおよそ700名の児童と教員が裨益し、将来を担う子供たちの適切な学習環境の確保が期待されます。
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2. 「ザンボアンガ市ビタリ地区ティクタプル小学校における教室整備計画」
・被供与団体:フィラム財団
・資金供与額:86,960米ドル(約1,050万円)
本件事業では、ティクタプル小学校において、老朽化した教室の代わりに、1校舎4教室(各教室トイレ付き)の建設、備品(黒板4枚、生徒用机付き椅子200脚、教員用机・椅子4セット)を整備します。同校に通うおよそ730名の児童と教員が裨益し、将来を担う子供たちの適切な学習環境の確保が期待されます。
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3.「ザンボアンガ市医療センターに対する移動診療車整備計画」
・被供与団体:ザンボアンガ市医療センター
・資金供与額:92,857米ドル(約1,100万円)
本件事業では、ザンボアンガ市立医療センターに対して、市内の避難所を巡回するための胸部レントゲン搭載診察車両を整備します。同市の避難民およそ2万人の医療サービスへのアクセスが向上することが期待されます。
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4.「ザンボアンガ・デル・スール州における小規模米農家のための輸送用車両整備計画」
・被供与団体:ラバンガン農家第一連合多目的協同組合
・資金供与額:97,619米ドル(約1,200万円)
本件事業では、ラバンガン農家第一連合多目的協同組合対して、農作盛る輸送用の12tトラック1台を整備します。組合員および地域住民およそ1,300名が裨益し、農家の生計向上及び良品質米の地域への普及促進が期待されます。
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我が国は、2006年よりミンダナオ和平支援案件をJ-BIRD (Japan-Bangsamoro Initiative for Reconstruction and Development)と総称し、元紛争地域に対する草の根・人間の安全保障無償資金協力など経済協力プロジェクトを集中的に実施しており、その総額はこれまで180億円以上になります。い2015年6月、アキノ元大統領の国賓訪日の際の日比首脳会談において、安倍総理大臣は、ミンダナオの永続的な和平について、フィリピンの取組への支持を表明するとともに、我が国は新自治政府設立を念頭にJ-BIRDIIの支援を進める旨述べました。J-BIRDIIとは、バンサモロ地域の経済的自立の確保に一層焦点を当ててJ-BIRDを新たなフェーズで進めるものです。
なお、草の根・人間安全保障無償資金協力は「人間の安全保障」の確保に資するものであり、フィリピンでは、1989年から現在に至るまでの間に、計525件の事業を実施しました。中でもJ-BIRD案件として実施を決定した草の根・人間の安全保障無償資金協力は95件にのぼり、その総額は約78.3百万米ドル(約9億円)となっています。